【試乗インプレ】“味”にうるさいユーザーも納得の完成度 BMW・218d グランツアラー(前編) (3/5ページ)

  • 秋を迎え、色づき始めた嵐山の木々と名所「渡月橋」を背景に。BMW・218dグランツアラー
  • 秋を迎え、色づき始めた嵐山の木々と名所「渡月橋」を背景に。BMW・218dグランツアラー
  • 一目でBMWとわかる面構え。BMW・218dグランツアラー
  • 真正面からの画像だけだとセダンのようにも見えるが…BMW・218dグランツアラー
  • ミニバンでーす。BMW・218dグランツアラー
  • BMW・218dグランツアラー
  • 前後のドアを貫くプレスラインがなければBMWとは気付かないほどのシルエット。BMW・218dグランツアラー
  • 導光式LEDの採用など、灯火類にかろうじて“らしさ”が残る。BMW・218dグランツアラー
  • 灯火類を点灯させるとこんな感じ。BMW・218dグランツアラー
  • 今回の影の主役、2リッターディーゼルターボエンジン。BMW・218dグランツアラー
  • ほれぼれするほど、洗練されたディーゼル。ガソリンエンジンと遜色ない上品さとパワーを兼ね備えている。BMW・218dグランツアラー
  • タイヤサイズは前輪(右)後輪(左)ともに205/60R16と乗り心地重視の設定。でもブレーキディスクはデカい!BMW・218dグランツアラー
  • なぜか女性に人気があるらしい、おなじみプロペラエンブレム。BMW・218dグランツアラー
  • キドニーグリルはもちろん、イカリングヘッドライトなど、ディテールはBMWそのもの。BMW・218dグランツアラー
  • ミニバンとしては小振りなドアミラー。もうちょっと大きいほうが使いやすいかも。BMW・218dグランツアラー
  • シャークフィンアンテナ(うえ)、フュエルリッド(左)、前席ドアハンドル(右)。BMW・218dグランツアラー
  • トレンドの導光式LEDを採用したテールコンビランプ。BMW・218dグランツアラー
  • 3列目シートアレンジの様子など、内装のディテールは次週のお楽しみ。BMW・218dグランツアラー
  • 小型SUVのX1と共通パーツの多いインパネ。ベースグレードでも各パーツの質感は高い。BMW・218dグランツアラー
  • X1同様、横置き前提でボンネットを短くしたことで、前後に長いキャビンを実現。BMW・218dグランツアラー
  • 京都・嵐山の名所「渡月橋」を背景に。BMW・218dグランツアラー


 よく流れている大通りの高速道路の巡行なら「コンフォート」が最適。アクセル操作に対するレスポンスも十分以上で、流れをリードできる速さと、いたずらにエンジンを回さず、8速という多段ギアを生かし早めにシフトアップする経済性がうまく両立している。

 渋滞路や制限速度が低く設定されている生活道路では「エコプロ」が最適。最大限燃費を抑える穏やかな特性は、スピードを出しようがない場面にピッタリで、ここぞとばかりに燃費が稼げる。レスポンスはやや犠牲になるが、狭く見通しの悪い住宅街などでは逆に安全とも言える。

 勾配の急な坂道や、山坂道を元気よく走りたい時は言うまでもなく「スポーツ」に切り換えるべし。エンジンの吹け上がりが鋭くなり、ファミリーカーらしからぬ加速が味わえる。

 もっとも、ほとんどの場面では「コンフォート」モードでまったく不満が出ないはず。高速道路の追い越しでも、「コンフォート」のまま少し強めにアクセルを踏み込むだけで、追い越し車線の前車を苦もなく追従していける。

 質感を語れるAT

 阪神高速経由で名神高速名古屋方面に入り、一路、京都・嵐山へ向かう。

 本線に合流すべく、合流路でどんどん加速していくと、8速ATの変速は超スムースで変速時のショックは皆無。段数が多い分シフトチェンジはこまめに行われるが、メーターやエンジン音に集中していないと、いつ変速したのか気付かないくらいだ。インテリジェントかつジェントルで、プレミアムブランドらしく、質感を語れるトランスミッションと言える。

 100キロ巡行でタコメーターは1600回転あたりを指しており、キャビン内にエンジン音はまったくと言っていいほど聞こえてこず、風切り音もほとんど感じられない。しかし、少し荒れた路面ではタイヤからのロードノイズが多めに感じられた。扁平率60と欧州車としてはさほど幅広でもないコンフォート系のタイヤでこうだから、あるいはロードインフォメーションの一環としてわざと聞こえるようにチューニングしているのかもしれない。

アウトバーン基準の大径ブレーキで家族も安心