【試乗インプレ】“結婚”するならこれ? 「見た目じゃない、中身ですよ」なBMW・218d グランツアラー(後編) (1/5ページ)

  • 嵐山-高雄パークウエイにて。紅葉のグラデーションに、華やかながら渋めのワインレッドが似合う。BMW・218dグランツアラー
  • パークウエイ途中の展望台。霧に煙る山並みと渓谷に囲まれた絶景ポイント。クルマで隠れてしまっているが、皇太子時代の天皇皇后両陛下ご訪問の記念碑がある。BMW・218dグランツアラー
  • BMW・218dグランツアラー
  • 葉が真っ赤になった頃に再訪したい。BMW・218dグランツアラー
  • BMW・218dグランツアラー
  • BMW・218dグランツアラー
  • BMW・218dグランツアラー
  • 小型SUVのX1と共通パーツの多いインパネ。ベースグレードでも各パーツの質感は高い。BMW・218dグランツアラー
  • X1と同じ昔ながらの前後スライド式シフトレバー。上級車種の短いスイッチ式とは異なる。左に電磁パーキングブレーキと、ナビ・オーディオ用のジョグダイヤル付きコントローラー。BMW・218dグランツアラー
  • パドルシフトは装備されていないが、シフトレバーをDレンジから左に倒すとマニュアル変速モードに切り替わる。BMW・218dグランツアラー
  • 2眼メーターにオルガン式アクセルペダル。基本に忠実だから運転操作に集中しやすい。BMW・218dグランツアラー
  • プッシュスタートスイッチ(上)、空調&ドライブモード切り替えパネル(下)。後者は“兄弟”のミニを彷彿させるトグルスイッチ。BMW・218dグランツアラー
  • 灯火類のスイッチ(左)、その下に小物入れ(右)、運転席ドアのスイッチ類(下)。ドアポケットには500mlのペットボトルが2本入る。BMW・218dグランツアラー
  • よくできた肘下収納。左からアームレスト、蓋開けて小物入れ、はね上げてUSBジャック付きボックス。最下段を蓋なしにしたことで逆に使い勝手が良くなっている。BMW・218dグランツアラー
  • 多機能なナビ画面には、ドライブモードごとの燃費結果なども表示できて純正のメリットを感じられる。BMW・218dグランツアラー
  • 前席(下)、後席(上)のルームランプ。前席用にはBMWの顧客サービスに直結する緊急通報用のボタンも。BMW・218dグランツアラー
  • ミニバンらしく、床も天井も高く見晴らしのいい前席。BMW・218dグランツアラー
  • バケット形状ではないから、乗り降りがスムーズにできる。座り心地もグー。BMW・218dグランツアラー
  • FFの恩恵で後輪に動力を伝えるプロペラシャフトのトンネルがないから、後席はフロア中央の出っ張りも少なく足もと広々。横幅もたっぷりあって大人3人が普通に座れる。BMW・218dグランツアラー
  • 2人分のカップホルダーを内蔵したアームレストを出して4人乗車ならリムジン気分?BMW・218dグランツアラー
  • 後席用空調吹き出し口&12ボルト電源ソケット(上)、左右後席にはそれぞれチャイルドシート固定用の金具を装備(下)。BMW・218dグランツアラー
  • バックドア開口部はスクエアで高さもあり、荷物の出し入れが楽。BMW・218dグランツアラー
  • トノカバーをつけた状態でも荷室には十分な高さがある。フロアに出っ張りが少なく、効率よく積載できそうだ。BMW・218dグランツアラー
  • 荷室に常備したいけれど散らかりがちな小物類は床下収納に。BMW・218dグランツアラー
  • 3列目シートは片方ずつそれぞれワンタッチで引き起こせる。当然荷室は急激に狭くなる。BMW・218dグランツアラー
  • 2列目もワンタッチでウオークスルー状態に。BMW・218dグランツアラー
  • 隙間は広いとは言えないが、乗り込みづらいというほどではない。BMW・218dグランツアラー
  • 座り心地を期待できない薄い座面と短い背もたれ。さらに足もとは…BMW・218dグランツアラー
  • 大人が3列目に座るには2列目を前にスライドさせる必要が。当然2列目膝もとの余裕は激減(上)、3列目もギリギリ許容範囲内といったところ(下)。BMW・218dグランツアラー
  • 2・3列目全部倒すとこんなに広い。ほぼフラットで、天井が高いから車中泊も楽。2列目は4:2:4の3分割。2、3列目の右側だけ倒して長尺ものを積んだりと柔軟なアレンジが可能。BMW・218dグランツアラー
  • 今回の影の主役、2リッターディーゼルターボエンジン。BMW・218dグランツアラー
  • X1同様、横置き前提でボンネットを短くしたことで、前後に長いキャビンを実現。BMW・218dグランツアラー
  • ほれぼれするほど、洗練されたディーゼル。ガソリンエンジンと遜色ない上品さとパワーを兼ね備えている。BMW・218dグランツアラー
  • タイヤサイズは前輪(右)後輪(左)ともに205/60R16と乗り心地重視の設定。でもブレーキディスクはデカい!BMW・218dグランツアラー
  • キドニーグリルはもちろん、イカリングヘッドライトなど、ディテールはBMWそのもの。BMW・218dグランツアラー
  • ミニバンとしては小振りなドアミラー。もうちょっと大きいほうが使いやすいかも。BMW・218dグランツアラー
  • シャークフィンアンテナ(うえ)、フュエルリッド(左)、前席ドアハンドル(右)。BMW・218dグランツアラー
  • トレンドの導光式LEDを採用したテールコンビランプ。BMW・218dグランツアラー
  • なぜか女性に人気があるらしい、おなじみプロペラエンブレム。BMW・218dグランツアラー
  • 一目でBMWとわかる面構え。BMW・218dグランツアラー
  • 真正面からの画像だけだとセダンのようにも見えるが…BMW・218dグランツアラー
  • ミニバンでーす。BMW・218dグランツアラー
  • BMW・218dグランツアラー
  • 前後のドアを貫くプレスラインがなければBMWとは気付かないほどのシルエット。BMW・218dグランツアラー
  • 導光式LEDの採用など、灯火類にかろうじて“らしさ”が残る。BMW・218dグランツアラー
  • 灯火類を点灯させるとこんな感じ。BMW・218dグランツアラー
  • 秋を迎え、色づき始めた嵐山の木々と名所「渡月橋」を背景に。BMW・218dグランツアラー
  • 秋を迎え、色づき始めた嵐山の木々と名所「渡月橋」を背景に。BMW・218dグランツアラー
  • 京都・嵐山の名所「渡月橋」を背景に。BMW・218dグランツアラー


 パワフルでスムースなディーゼルエンジンにすっかり魅了された前編に続き、今回もBMWの2シリーズ・グランツアラーの、ミニバンとしての使い勝手を中心に内外装のインプレッションをお届けする。ガッキーの主演ドラマで契約結婚が話題になっているが、クルマの購入契約を結婚に喩えると、このクルマ、なかなか理想的な“お相手”に見えてくる。(文と写真:Web編集室 小島純一)

 カッコイイかどうかと言われると…

 後輪を駆動するために車軸に対してエンジンを縦に搭載することを前提とした長いボンネットが、長らくBMWのデザインの特徴だったわけだが、このクルマのシルエットはまったく真逆をいく。

 短いボンネットに引き延ばされたキャビン。特に横から見た場合、前後のドアハンドルを貫く鋭いプレスラインがなければBMWとは気付かないほどに、同社の車種のなかでは異色のフォルムと言える。

 同社初の前輪駆動(FF)レイアウトを存分に生かし居住性重視に大きく舵をとったことが、その形状からハッキリと読み取れる。

 そのうえでBMWらしい走りの楽しさは(後輪駆動の車種ほどではないにしろ)継承されており、居住性と走りの両立がこのクルマ最大のセールスポイントであることが、実際に運転してみたあとでは非常によくわかる。同じFF用プラットフォームを使うコンパクトSUVのX1と共通の特徴と言える。

 率直に言って、このグランツアラーと2列シート版の兄弟車であるアクティブツアラーのいずれも、単にカッコイイかどうかで評価すれば、お世辞にもカッコイイとは言い難い形だ。BMWの“顔”であるプロペラエンブレムとキドニーグリルがついていようとも、あまたあるミニバンたちとさほど代わり映えしないシルエットなのだから仕方ない。

 ミニバンはカッコ悪くて当たり前?

 そもそもミニバンとは典型的な箱形のクルマであって、クルマのカッコ良さからは最も遠いカテゴリーである。だからと言ってカッコ悪いままでは高額商品である乗用車として成立しないので、各社さまざまに工夫をこらし、なんとかカッコ良く(あるいは可愛らしく)見えるようデザインしているのが現状だろう。

 ここからはあくまで個人的な意見だけれど、角や直線をうまく“味方”につけたほうが、ミニバンとしては潔いデザインに感じられるような気がする。

内装で印象一変、好感度急上昇 蓋なしコンソールがGOOD!