世界最速ながら「待たされる感」も
機能面でのハイライトは、何と言っても電動格納式ハードトップ。開閉時はセンターコンソールのスイッチを操作、要する時間はそれぞれ約13秒。スイッチに手を伸ばす分の時間を考慮に入れても、15秒あれば開け(閉め)られる。
時速10キロまでだったら走行中でも開閉可能。しかし、開き終わる(閉じ終わる)までスイッチを押し上げ(または押し下げ)続ける必要がある(手を離すと途中で停止する)ので、MT仕様に一人乗りの場合は実質的に停止時に限られると考えた方が良さそうだ。AT仕様なら信号待ちで開け始めて、動作中に信号が青になってもゆっくり走り出せば大丈夫という感じだろうか。
この開閉13秒という数値、現行の市販電動ハードトップ車としては世界最速とのこと。確かに機構の複雑な動きを見ているとそのスムーズかつスマートな動作に驚かされるし、実際に手軽に開け閉めする動機になり得るスピーディーさなのだが、5秒くらいで開け(閉め)られるロードスターの手動式幌屋根を知っていると、正直「待たされる」感は否めない。動作が機械にお任せだから余計にそう感じるのかもしれない。まぁ「比べんな」って話ではあるんですが。
切削研磨した金属のような質感の新色
試乗車の色は新色のマシーングレープレミアムメタリック。この色が凝縮感のあるRFのボディーにとてもよく似合っている。削りだして磨き上げた金属のような質感を持つ不思議な色合いで、日陰では鉄の塊のような重厚感を醸し、日光の下では抑揚豊かなRFの造形を際立たせてくれる。5万4千円のオプションとなるが、RFを目でも楽しみたい向きにはイチオシのカラーだ。
魂動デザイン系のマツダ各車種でもすでに採用。先日大阪で開催されたカスタムカーの展示会「オートメッセ」会場にもこの色のデミオ、CX-3、新型CX-5が展示されていたのだが、いずれの車種も惚れ直してしまうくらいカッコよかった。しかしなぜか幌屋根のロードスターだけは取り残されている。この色のロードスターも早く見てみたいものだ。
「安いからロードスター」という選び方にはならない
RFの価格は324万円からで、RFのベースグレードSと、装備の似通ったロードスターのS Special Packageとの価格差は約50万円。排気量500ccアップ、大径ブレーキとタイヤ&ホイール、電動格納ハードトップなどの違いを考慮すると、まずまず妥当な価格設定と言える。しかし実際に乗り比べてみて思うのは、おそらく「安いからロードスター」と選択するユーザーは少ないだろうということだ。