【試乗インプレ】マツダ・ロードスターRFはRX-8以来の大人の“クーペ”(後編) (4/5ページ)

  • リアル「千と千尋の神隠し」の異名をとる松山・道後温泉本館前で。ロードスターRF
  • リアル「千と千尋の神隠し」の異名をとる松山・道後温泉本館前で。ロードスターRF
  • ハードトップの格納第一段階、ピラーが持ち上がる。ロードスターRF
  • 第二段階、ルーフが折りたたまれ後ろに下がる。ロードスターRF
  • ルーフとリアウインドーがピラー下に収まる。この後ピラーが元の場所に戻って動作完了。ここまでわずか13秒。ロードスターRF
  • 後部ピラーの内側根元。何がどう動くのか写真をみただけではさっぱりわからない複雑な機構。ロードスターRF
  • ピラーが上がると、リアウインドーは宙に浮くような形で収まっていることがわかる。ロードスターRF
  • 浮いてる浮いてる。ロードスターRF
  • えーっとこのアームが…やっぱりわからん。ロードスターRF
  • ルーフが2つに分割され、リアウインドーと3層に重なりながら収納される。ロードスターRF
  • ハイ、きれいに収まりました。確かに幌屋根の収納部と同じくらいの面積しかない。スゲー…ロードスターRF
  • ちなみにピラーの内側はこんな形状。ロードスターRF
  • シート、ダッシュボード、ドア内張にブラウンのナッパレザーが奢られたVSのインテリア。ロードスターRF
  • パーツのレイアウトはロードスターと同じで、お手本と言うべき絶妙の配置。めっちゃ運転しやすい。ロードスターRF
  • 3眼メーター。左の液晶表示のデザインが、中央と右のアナログメーターの雰囲気を壊していないのがGOOD。ロードスターRF
  • インフォテインメントシステムのマツダコネクト。ロードスターRF
  • 6速AT。シフトレバーをDレンジから右に倒すとマニュアル変速モードに。ロードスターRF
  • ドアパネル上部は外観との連続性が感じられるような凝った造形。ロードスターRF
  • 柔らかく体に馴染んで座り心地のいいナッパレザーのシート。ロードスターRF
  • ルーフの内張はロードスターより厚めで遮音性も上がっている。ロードスターRF
  • 電動なのでルーフを固定するレバーはなく、すっきりしている。ルームミラーは自動防眩機能付き。ロードスターRF
  • 助手席の足元奥右端にサービスソケット。電源をとろうとして助手席に座ったまま手を伸ばすと柔軟運動になる。ウソです。私は届きません…ロードスターRF
  • ロードスターRF
  • ウインカーランプはドアミラーでなくフェンダーに。ロードスターRF
  • ドアミラーはシンプル。電動格納機能なし。ロードスターRF
  • 試乗車は後方の死角をカバーするトラフィックアラートを装備(ミラー内側にシグナルを内蔵)。後部ピラーが大きく死角が多めのRFには非常に有効。ロードスターRF
  • ドアノブ。それにしてもいい色。ロードスターRF
  • アクリルの整流板。オープン時の不快な風の巻き込みをカットしてくれる。ロードスターRF
  • ハイマウントストップランプ。ロードスターRF
  • ロードスターRF
  • マフラーは左2本出し。ロードスターRF
  • 銘には「RF」の文字はない。ま、見りゃわかるでしょってことかな。ロードスターRF
  • 給油口は左側、ガソリンはハイオク指定。ロードスターRF
  • 剛性確保のため開口部は高め&小さめ。でもちゃんとダンパー使ってます。ロードスターRF
  • 容量はロードスターからわずか3リットル減だからほぼ同じと考えていい。2人乗りなら十分実用的。ロードスターRF
  • 瀬戸内の夕日としまなみ海道の来島海峡大橋を背に、横顔を浮かび上がらせるロードスターRF(iPhoneで撮影)
  • しまなみ海道、瀬戸田PAにて。後ろは生口島と大三島をつなぐ多々羅大橋。ロードスターRF
  • 幌屋根ロードスターの米国仕様にも積まれている2リッターエンジン。本文下リンクのロードスター試乗記事に添付されている1.5リッターエンジンと比べてみよう。RF
  • 来島海峡大橋とロードスターRF
  • まずはオープン状態で正面から半周してみる。ロードスターRF
  • 新色のマシーングレーメタリックは光の加減でガンメタにも黒にも見える不思議な色合い。ボディの抑揚がよくわかる色でもある。ロードスターRF
  • 全長は幌屋根のロードスターと同じなのに、なぜかよりコンパクトに見える造形。ロードスターRF
  • デザイン上の特徴はこのアングルから見るともっともわかりやすい。ロードスターRF
  • ロードスターRF
  • 次は屋根を閉めてまた半周してみる。ヘッドランプも点灯。ロードスターRF
  • ロードスターRF
  • ルーフの分割線が見えなければ屋根が開くとは思えないほどに形が整っている。ロードスターRF
  • そうか、こっちが標準形態なんだな。ロードスターRF
  • ロードスターRF
  • ルーフの分割線。これがどう折りたたまれるのか…ロードスターRF
  • リヤウインドーはガラス製。ロードスターRF
  • ご開帳!ロードスターRF
  • 前後輪ともにサイズは205/45R17。幌屋根ロードスターから1インチアップして太く、ブレーキディスクも一回り大きい。ロードスターRF
  • 銘柄はブリヂストン・ポテンザS001。ロードスターRF
  • 大島の亀老山展望台は迷路のような不思議な構造。ここからの眺めは次フォトに。ロードスターRF
  • 四国・愛媛は今治へと渡る来島海峡大橋が一望できる。【試乗インプレ】ロードスターRF
  • 橋から左にレンズを向けるとこんな眺め。左はうどん県方面だ。【試乗インプレ】ロードスターRF
  • 夕暮れ時の今治市大島の亀老山展望台駐車場にて。眼下には来島海峡大橋。ロードスターRF


 世界最速ながら「待たされる感」も

 機能面でのハイライトは、何と言っても電動格納式ハードトップ。開閉時はセンターコンソールのスイッチを操作、要する時間はそれぞれ約13秒。スイッチに手を伸ばす分の時間を考慮に入れても、15秒あれば開け(閉め)られる。

 時速10キロまでだったら走行中でも開閉可能。しかし、開き終わる(閉じ終わる)までスイッチを押し上げ(または押し下げ)続ける必要がある(手を離すと途中で停止する)ので、MT仕様に一人乗りの場合は実質的に停止時に限られると考えた方が良さそうだ。AT仕様なら信号待ちで開け始めて、動作中に信号が青になってもゆっくり走り出せば大丈夫という感じだろうか。

 この開閉13秒という数値、現行の市販電動ハードトップ車としては世界最速とのこと。確かに機構の複雑な動きを見ているとそのスムーズかつスマートな動作に驚かされるし、実際に手軽に開け閉めする動機になり得るスピーディーさなのだが、5秒くらいで開け(閉め)られるロードスターの手動式幌屋根を知っていると、正直「待たされる」感は否めない。動作が機械にお任せだから余計にそう感じるのかもしれない。まぁ「比べんな」って話ではあるんですが。

 切削研磨した金属のような質感の新色

 試乗車の色は新色のマシーングレープレミアムメタリック。この色が凝縮感のあるRFのボディーにとてもよく似合っている。削りだして磨き上げた金属のような質感を持つ不思議な色合いで、日陰では鉄の塊のような重厚感を醸し、日光の下では抑揚豊かなRFの造形を際立たせてくれる。5万4千円のオプションとなるが、RFを目でも楽しみたい向きにはイチオシのカラーだ。

 魂動デザイン系のマツダ各車種でもすでに採用。先日大阪で開催されたカスタムカーの展示会「オートメッセ」会場にもこの色のデミオ、CX-3、新型CX-5が展示されていたのだが、いずれの車種も惚れ直してしまうくらいカッコよかった。しかしなぜか幌屋根のロードスターだけは取り残されている。この色のロードスターも早く見てみたいものだ。

 「安いからロードスター」という選び方にはならない

 RFの価格は324万円からで、RFのベースグレードSと、装備の似通ったロードスターのS Special Packageとの価格差は約50万円。排気量500ccアップ、大径ブレーキとタイヤ&ホイール、電動格納ハードトップなどの違いを考慮すると、まずまず妥当な価格設定と言える。しかし実際に乗り比べてみて思うのは、おそらく「安いからロードスター」と選択するユーザーは少ないだろうということだ。

気持ちが若い人にはロードスターが、大人の人にはRFが合っている