【試乗インプレ】余裕の走りは軽からのステップアップに最適 ダイハツ・トール(前編) (2/5ページ)

  • 奈良・若草山ドライブウェイの「大仏殿ビューポイント」にて。さすが大仏殿、700~800メートルほど離れていてもこの大きさで写る。ダイハツ・トール
  • 奈良・若草山ドライブウェイの「大仏殿ビューポイント」にて。さすが大仏殿、700~800メートルほど離れていてもこの大きさで写る。ダイハツ・トール
  • 前席は幅、足元、頭上が広く、インパネも機能的にまとまっており、初めてでも迷うことなく使いやすい。ダイハツ・トール
  • ターボ付きの3気筒1リッターエンジン。低速から加速がよく、街中から高速巡航、坂道までどんな場面でも不足を感じない。ダイハツ・トール
  • 試乗車の「カスタム」というグレードは、メッキの横桟グリルが3列シートのハイクラスミニバンよろしく、幅をアピールする立派な顔つき。ダイハツ・トール
  • 全体のシルエットは軽の背高ワゴンの相似形。ナンバーを外したら、写真だけで小型車か軽かを見分けるのは難しいかも。ダイハツ・トール
  • 真横からだと写真ではもはや軽にしか見えない。実物を目の前にすればわかりますけどね。ダイハツ・トール
  • がっつり四角い。室内の広さに期待が高まる。ダイハツ・トール
  • テールゲート開口部が低いから重い荷物の積み下ろしも楽そう。ダイハツ・トール
  • グリルだけだと、また車格がわからなくなる。「D」エンブレム隠して「トヨタ・ヴォクシーです」って言われたら信じてしまいそう。ダイハツ・トール
  • グリル中段には緊急ブレーキ用のセンサー(左)とフロントカメラを内蔵。ダイハツ・トール
  • 上位グレードのヘッドランプには照射角の自動調節機能付きLEDがおごられている。ダイハツ・トール
  • フォグランプもLED。ダイハツ・トール
  • タイヤサイズ(写真は前輪)は前後とも175/55R15。リアはドラムブレーキ。ダイハツ・トール
  • 左右ドアミラー下に内蔵されたカメラ。前フェンダー付近の死角をカバーしてくれる。ダイハツ・トール
  • 前後ドアノブ。電動スライドドア装備車はボタンをおすだけでも開閉できるから荷物で両手がふさがっているときに便利。ダイハツ・トール
  • アンテナは折りたたみ式。ダイハツ・トール
  • LEDを使った縦型のリアコンビランプ。ダイハツ・トール
  • 後部ナンバー上にリアカメラ(左端)。ダイハツ・トール
  • 後席足元は高級サルーン並の広さ。床面もフラットで室内の移動も楽だ。ダイハツ・トール
  • 前席背もたれ後ろのテーブルを引き出して軽食をとる場合にはこの角度+シートスライドが最適姿勢であることが判明。ダイハツ・トール
  • 後席を床まで沈みこませると、もう商用車レベルの容積。一人乗りなら車中泊もいけそうだ。ダイハツ・トール


 シートは左右の張り出しが控え目な分乗り降りは非常にしやすい反面、サイドサポートがやや頼りなく感じられる。実サイズに対して小ぶりな印象だが、これはアップライトな乗車姿勢からくる感覚もあるだろう。クッションは柔らかめで座り心地は悪くないが、長距離ドライブだと姿勢が安定せずに疲れが出やすいかもしれない。

ターボは是非モノ 巡航も静かで快適

 試乗車に搭載されたエンジンは1リッター3気筒のターボ付き。アイドリングから低回転では非常に静かで3気筒で気になる振動もほとんど車内に伝わらないが、3千回転を超えたあたりから少し騒々しくなってくる。音の響きも官能的なものではないから、高回転を保って走る場面ではちょっと耳が疲れてしまう。

 ただ、ドアの開口面積が大きい(つまり隙間の総延長が長い)割には遮音性は高く、低回転を保ってゆったり走る分には不快感はない。クルマの性格から考えて、通常の使い方なら快適と言っていいレベルだろう。

 一般道、高速道路、山坂道といろいろ走ってみたが、どんな場面でもパワー、トルクともに不足は感じなかった。東京の首都高とよく似た阪神高速特有の短い合流路でも、慌てることなく速やかに必要なスピードに達してくれて安心感が高かったし、奈良の若草山ドライブウェイの急勾配もストレスなく登っていくことができた。

 後席にも人を乗せて荷物もたくさん、というシチュエーションでの使用が多そうなこのクルマにちょうどいいパワートレインだと思う。ターボなし仕様のグレードもあるが、がっつりファミリーカーとして活用したい向きには断然このターボ仕様がおすすめだ。

CVTは…う~ん

 変速装置は、国産の軽やコンパクトカーではもはやデフォルトとも言える無段変速のCVT。アクセルを踏み込むとまずエンジン音が高まり、少し遅れて加速が始まる。

乗り心地は悪くないが良くも悪くも「軽い」