シートは左右の張り出しが控え目な分乗り降りは非常にしやすい反面、サイドサポートがやや頼りなく感じられる。実サイズに対して小ぶりな印象だが、これはアップライトな乗車姿勢からくる感覚もあるだろう。クッションは柔らかめで座り心地は悪くないが、長距離ドライブだと姿勢が安定せずに疲れが出やすいかもしれない。
ターボは是非モノ 巡航も静かで快適
試乗車に搭載されたエンジンは1リッター3気筒のターボ付き。アイドリングから低回転では非常に静かで3気筒で気になる振動もほとんど車内に伝わらないが、3千回転を超えたあたりから少し騒々しくなってくる。音の響きも官能的なものではないから、高回転を保って走る場面ではちょっと耳が疲れてしまう。
ただ、ドアの開口面積が大きい(つまり隙間の総延長が長い)割には遮音性は高く、低回転を保ってゆったり走る分には不快感はない。クルマの性格から考えて、通常の使い方なら快適と言っていいレベルだろう。
一般道、高速道路、山坂道といろいろ走ってみたが、どんな場面でもパワー、トルクともに不足は感じなかった。東京の首都高とよく似た阪神高速特有の短い合流路でも、慌てることなく速やかに必要なスピードに達してくれて安心感が高かったし、奈良の若草山ドライブウェイの急勾配もストレスなく登っていくことができた。
後席にも人を乗せて荷物もたくさん、というシチュエーションでの使用が多そうなこのクルマにちょうどいいパワートレインだと思う。ターボなし仕様のグレードもあるが、がっつりファミリーカーとして活用したい向きには断然このターボ仕様がおすすめだ。
CVTは…う~ん
変速装置は、国産の軽やコンパクトカーではもはやデフォルトとも言える無段変速のCVT。アクセルを踏み込むとまずエンジン音が高まり、少し遅れて加速が始まる。