【試乗インプレ】競合他車にない気持ちよさ…燃費にも優れる仏プレミアム「DS5」(前編) (4/5ページ)

  • 和歌山・南紀白浜の名勝、円月島こと高嶋をバックに。DS5
  • シルバーの加飾が飛行機の操縦桿を思わせる革巻きのD型ハンドル、大胆に前傾したセンターコンソール、凝った意匠のスイッチ類…と唯一無二の雰囲気を持つインテリア。DS5
  • 航空機のコクピットをモチーフにしたという意匠は天井にも及ぶ。あえて前席のガラスルーフをルーフコンソールで左右に分断、キャノピー(航空機の風防)を模している。DS5
  • ブレスレットのチェーンをモチーフにした本革シート。写真だと硬そうに見えるが、程よく柔らかい座り心地に驚かされる。座面長調節機能あり。DS5
  • わずか2000回転で400Nmの大トルクを生みだす2リッターディーゼルターボエンジン。DS5
  • 春分、秋分のころには、真ん中に空いた穴から太平洋に沈む夕日が見える。DS5
  • DS5
  • 大きな三角窓、モノフォルム的な造形。このアングルからだとミニバン風にも見えるが…。DS5
  • ボンネットは短めながら、フロントウインドウはスポーツカー並みに寝かされている。透けて見えるハンドルの位置から、ダッシュボードが異様に長いことがわかる。何にも似ていないシルエットだ。DS5
  • 斜めからのアングルだとやはりミニバン的。DS5
  • 真後ろから見るとお尻がキュッと上がり、テールフィニッシャーやセンターフォグランプでスポーティーなイメージに。DS5
  • 少し上からのアングルだとまた違った感じ。実物確かめてみたくなるでしょ?DS5
  • ご開帳!DS5
  • DS5
  • リアハッチのヒンジ位置にご注目。ルーフの途中、後席ヘッドレストの上あたりから開く。DS5
  • もとはシトロエンの一車種だったが、現在は独立ブランド。シトロエンのエンブレムはつかない。DS5
  • 複雑な造形のヘッドライト。シルバー加飾の使い方に嫌みがないところがすごい。DS5
  • ボンネット両脇からAピラーまで伸びるシルバーの「サーベルライン」がフロントを引き締める。DS5
  • ボディサイドを貫く彫刻的なプレスラインは、後席ドアハンドルの後ろでえぐるように蹴り上がる。DS5
  • 左ドアミラー下に埋め込まれた、左前方の死角をカバーするカメラ。映像はルームミラーに埋め込まれた液晶モニターに映し出される。DS5
  • 前席ドアハンドル。当然スマートエントリー装備。DS5
  • フュエルリッドは丸型。DS5
  • こうやってルーフ後部だけ切り取ると、一体どんなタイプのクルマか見当がつかない。不思議な形だよなぁ。DS5
  • リアハッチの分割線(ヒンジの位置)はかなりルーフ側に食い込んだ位置にある。DS5
  • リアコンビランプの下側は、えぐられた複雑な造形。DS5
  • 真ん中にリアカメラ、その右隣はリアハッチのリリースボタン。DS5
  • クールなテールパイプフィニッシャーの奥にパイプが2本…ということは左右4本出し。DS5
  • タイヤサイズは前後ともに225/50R17でミシュランのコンフォート系を装着。フロントディスク、結構大きいです。DS5
  • こちらは後輪。DS5


 足かけ3日間走り終え車両返却直前の給油時、満タン計測法でリッター17キロ台と2リッタークラスのエンジンとしては驚異的な数値になった。しかも燃料はリッター100円前後の軽油だから、このクルマを買ったら毎週末遠出せずにはいられなくなるだろう。

乗り始めの小一時間は違和感

 阪和道を撮影ポイントの白浜町・円月島に向け「いいクルマ感」を満喫しつつ走らせながら、ふと我に返る。冷静に考えるとこのクルマ、スペック的には競合車種に対して何ら突出している部分はない。燃費は間違いなくトップクラスだが、動力性能的にも、乗り味的にも、代わりが務まる競合車はいくつもある。だが、運転していてどうにも気分がいい。他社Dセグのセダンやステーションワゴンでは味わえないタイプの気持ちよさが確かにあるのだ。それはなぜか。

 おそらく答えは、このクルマ特有のフォルムにある。

 実は乗り始めの小一時間は違和感があった。全高はさほど高くなく、着座位置もセダン的であるにもかかわらず、ダッシュボードが異様に長く、ボンネットはほぼ見えない。しかも前席ドアとフロンドウインドーの間に大きく長い三角窓が展開しており、視界の広がり方がミニバン的なのだ。この印象に最も近かったのはトヨタ・初代エスティマ(公私含め私が今までに乗ったクルマの中で)、と言えばDセグのクルマとしてどれだけ異色かおわかりいただけるだろうか。

 試乗する前から「セダン的なDセグ」という先入観を持ち、実際に姿勢も高さもセダン的な位置で運転しているのに、目から入る情報だけがミニバン的なので、頭が混乱したのだと思う。

独創と標準 両面併せ持つという個性