映画のための割り切りとこだわり
オープンにすべく畳んだ幌を収納したように見える座席後部の黒い部分をよく見てみると固い樹脂製。つまり幌の開閉はできず、というかそもそも幌屋根自体装備されていない。映画の中でも幌を開閉する場面はないのでダミーで十分だったわけだ。
割り切ったところばかりでなく、強いこだわりが感じられる部分も。フロントウインドーの形状は、実は市販車と同じではなく、屋根がない状態で最も美しく見えるように窓枠の形状を作り直したのだという。その結果、中にはめるガラスの形や大きさも変わってしまったため市販車用パーツの流用が利かず、かといって湾曲した特殊な形状なので、ガラスの製造も間に合わないということと、撮影で役者の顔がよく見えるように脱着式の透明樹脂製ウインドーが用意された。
そう言われて目を近づけると、確かにフロントウインドーの表面は、ガラスではつかないような(使い古したタッパーウエアについているような)細かいひっかき傷が無数についていた。1枚目の添付写真はまさにこの箇所のアップである。
細かい話はこれくらいにして、あとは写真をご堪能いただこう。
さて次回はいよいよ博物館本館へ。2000GTが前座に思えるほどディープな内容に写真満載でお送りする。乞うご期待!