【試乗インプレ】可愛かったあの子が“大人”に成長して7年ぶりに凱旋帰国 ホンダ・シビック (2/5ページ)

  • セダンは伸びやかなプロポーションが特徴。ホンダ・シビックセダン
  • インパネデザインはセダン、ハッチバック共通。ホンダ・シビックセダン
  • 多灯LEDをおごったヘッドランプユニット。ホンダ・シビックハッチバック
  • 英国生産のため“輸入車”となるハッチバック。ホンダ・シビックハッチバック
  • 最近のホンダ顔を踏襲したフロントマスク。ホンダ・シビックセダン
  • ルーフからテールエンドまでなだらかにつながったクーペスタイル。ホンダ・シビックセダン
  • リアがハッチゲートのようにも見えるが、キャビンから独立したトランクを装備。ホンダ・シビックセダン
  • ホンダ・シビックセダン
  • ホンダ・シビックセダン
  • 後席は座面長たっぷり、背もたれの高さと傾斜、膝元の余裕も十分で大人4人が楽に長距離移動できる空間を確保。ホンダ・シビックセダン
  • トランクリッドは奥行きが短いが、左右の開口幅は大きく、下端も低いので使い勝手良さそう。ホンダ・シビックセダン
  • 荷室奥行きが長く、容量はハッチバックより上。ホンダ・シビックセダン
  • スノッブなセダンとアグレッシブなTYPERの間をとったような、ほどよく厳つい顔つき。ホンダ・シビックハッチバック
  • ハッチバックは画像のように6速のMT仕様も選べる。ホンダ・シビックハッチバック
  • セダン同様、ハッチバックもルーフから後端までなだらかなラインを描く。ホンダ・シビックハッチバック
  • リアハッチはかなり寝かされていることがわかる。ホンダ・シビックハッチバック
  • マフラーはセンター2本出し。このアングルがもっともスポーティー。ホンダ・シビックハッチバック
  • センターコンソールはまるで後輪駆動車のように高い。おかげでMTのシフトはレバーもストロークも短めで、停車してレバーを動かしているだけで気分が上がる。ホンダ・シビックハッチバック
  • 容量はセダンに及ばないが、大きな開口部で積載性に勝る。ホンダ・シビックハッチバック
  • 黒だと一気にワルの雰囲気に。ホンダ・シビックハッチバック
  • 白だと穏やかな雰囲気に一変。車体色でここまでイメージが変わるクルマも珍しいかも。ホンダ・シビックセダン


 着座位置が低めの大柄なシートに座ると、左右に盛り上がったフロントフェンダーのふくらみが見える。車両感覚がつかみやすく、スポーツカーに乗りこんだような気分になってくる。Aピラーは形状を工夫し、強度に影響する断面積を確保しつつドライバーの視野を妨げないよう配慮されている。

 一番気に入ったのは高めのセンターコンソールだ。あたかも後輪駆動車のようで、短めのシフトレバー、前傾したナビ・空調パネルと相まってこちらもスポーティーな雰囲気を醸し出す。だが、内装の質感は安っぽさこそないものの、高級感はいまひとつ。ボディーサイズや、流麗なスタイルに見合うあと少しのリッチ感が欲しいところだ。

 TYPE Rイメージを踏襲したハッチバック

 ハッチバックも内装はほぼ同じだが、荷室容量を確保するために後席をセダンよりも3.5センチ前に設置しているため、膝元空間が少し狭くなる。と言っても体感的にはそれほどの差はなかった。

 落ち着きのある外観のセダンに対し、ハッチバックはリアルスポーツモデルのTYPE Rを彷彿させる若々しくアグレッシブな造形だ。フロントフェイスもセダンと差別化したいかついTYPE R風で、ホイールサイズがセダンより2インチ大きいこともあって、乗る前から走りの良さを予感させる。

 荷室はセダンが519リットル、ハッチバックが420リットルと同クラスではダントツの容量だ。いずれも開口部の横方向が広く、下端も低いので積み込みがしやすい。ただ、セダンは深い奥行きで大容量なのはうれしいのだが、デザイン優先でトランクリッドの前後が短く開口部が狭いのが玉にきず。積載性はリアガラスごとガバッと開くハッチバックのほうがいい。容量をとるか、使い勝手をとるかという選択になるだろう。

 セダンは質感高く快適な乗り味

 さて、いよいよ試乗の時間がやってきた。許された時間はセダンとハッチバック1時間ずつだ。いずれもCVTでハッチバックのMTは試せなかった。

 最初はセダン。東名御殿場インター付近から箱根・芦ノ湖方面を目指す。平日にもかかわらずそこそこ交通量があり、存分に性能を試すというわけにはいかなかったが、穏やかなスピードで走っていても、実力の片鱗を垣間見ることができた。

ハッチは欧州車レベルのがっしり感

     おそらくホンダは、ミニバンやSUVユーザーに乗り換えてもらえるとは端から思っていない。奪いたいのは、VW・ゴルフやルノー・メガーヌの購入を検討しているユーザーだろう。たとえば、シビックハッチバックと同等スペックのゴルフハイラインは346万円、メガーヌGTは334万円。実に50万円以上の開きがある。相手が輸入車ということを割り引いて考えてもお値打ちと言っていいのではないか。  スポーティーかつDCT仕様のセダンが欲しい  もし私が買うとしたら…これはなかなか悩ましい。デザインで欲しいと思うのはセダンだが、走りが楽しいのはハッチバック。ハッチバックの走りそのままに、ボディーだけセダンという仕様があって、なおかつミッションがゴルフやメガーヌのようなDCTであれば、けっこう真剣に購入を考えたい。  今後の売れ行きによっては、仕様やグレードの追加もあるかもしれない。すでに9月から販売を開始しており、ハッチバック購入者の35%がMT仕様を選んでいるという。これはホンダの予想以上だそうだ。トヨタ・カムリの販売好調もあり、セダン復権の機運も高まりつつある。ホンダさん、スポーティーなDCT仕様のシビックセダン、出すなら今ですよ、多分。  次週はシビックTYPE Rの試乗記をお送りする。 ■基本スペック ホンダ・シビック セダン CVT 全長/全幅/全高(m) 4.65/1.8/1.415 ホイールベース 2.7m 車両重量 1,300kg 乗車定員 5名 エンジン 4気筒 直噴 ターボ 総排気量 1.496L 駆動方式 前輪駆動 燃料タンク容量 47L 最高出力 127kW(173馬力)/5,500rpm 最大トルク 220N・m(22.4kgf・m)/1,700rpm~5,000rpm JC08モード燃費 19.4km/L 車両本体価格 265.032万円 ホンダ・シビック ハッチバック 6MT/CVT 全長/全幅/全高(m) 4.52/1.8/1.435 ホイールベース 2.7m 車両重量 6MT:1,320kg CVT:1,350kg 乗車定員 5名 エンジン 4気筒 直噴 ターボ 総排気量 1.496L 駆動方式 前輪駆動 燃料タンク容量 46L 最高出力 134kW(182馬力)/5,500rpm 最大トルク 240N・m(24.5kgf・m)/1,900rpm~5,000rpm JC08モード燃費 6MT:17.4kmL CVT:18km/L 車両本体価格 280.044万円