【試乗インプレ】オーナーのために作られた超高級コンバーチブル ロールス・ロイス「ドーン」 (2/5ページ)

  • 箱根の富士屋ホテルとロールス・ロイス「ドーン」
  • 箱根の富士屋ホテルとロールス・ロイス「ドーン」
  • ロールス・ロイス「ドーン」
  • ロールス・ロイス「ドーン」
  • ロールス・ロイス「ドーン」。観音開きするコーチドアが特徴の一つ
  • ロールス・ロイス「ドーン」。観音開きするコーチドアが特徴の一つ
  • ロールス・ロイス「ドーン」
  • ロールス・ロイス「ドーン」。リヤシートを囲うウッドデッキがひと際目立つ
  • ロールス・ロイス「ドーン」。リヤシートを囲うウッドデッキがひと際目立つ
  • 高級木材を贅沢に使用したロールス・ロイス「ドーン」。リヤシートを囲うウッドデッキがひと際目立つ
  • 高級木材を贅沢に使用したロールス・ロイス「ドーン」。差し色がお洒落
  • ロールス・ロイスのマスコット「スピリット・オブ・エクスタシー」とエンブレム
  • ウッドパネルのシャッターを閉じて、モニターを隠した状態
  • レザー、ウッド、金属が調和するダッシュボード周り
  • センターコンソール中央のロータリーコントローラーは、ダイアル上部がタッチパッドになっている。右側にはルーフの開閉ボタン
  • 透き通るような美しさの純白メーター
  • 吹き出し口と灯火類スイッチ。写真右のAピラー付近には、両サイドの観音開きドアとトランクを開けるスイッチを配置している
  • アナログ時計
  • メーターフードのレザーももちろん手縫い。その下には電動パーキング、オートホールド、エンジンボタン
  • 独立型のリヤシート。大人でもゆったり座れる広さを誇る
  • 後席のセンターコンソール。後輪駆動のため、直下にはプロペラシャフトが通っている
  • これだけ広ければ後席からの乗り降りも楽ちん
  • ウインドー類の操作スイッチ
  • 金属製のスピーカーとインナーハンドル
  • 英国本社グッドウッドで手作りされている証
  • ドアを開けたら…なんだコレは?答えは次の写真でどうぞ
  • 雨が降っているときはこれをどうぞ
  • ボディカラーにマッチした傘
  • ボディカラーにマッチした傘を開く
  • 精巧に作られた高品質の傘
  • スカイブルーが映える豪華なインテリア
  • ルーフを格納するスペースがあるため、奥行きはあるが高さはない
  • ウッドデッキが開くとルーフが出現
  • ルーフがフロントウィンドーに向けて伸びる
  • ウッドデッキが元の位置に下がり、ルーフ後端が覆いかぶさる
  • 約20秒でルーフを閉じることができる
  • ロールス・ロイス「ドーン」。定番撮影スポットの箱根ターンパイクにて
  • ロールス・ロイス「ドーン」
  • 6.6リッターV12ターボエンジンを搭載
  • すべて開けてみました
  • 6.6リッターV12ターボエンジンを搭載
  • ロールス・ロイス「ドーン」
  • ロールス・ロイスのホイールセンターは回転しないため、中央のエンブレムは走行中も正立を維持する
  • ロールス・ロイス「ドーン」
  • ロールス・ロイス「ドーン」
  • ルーフを閉じたロールス・ロイス「ドーン」
  • ルーフを閉じたロールス・ロイス「ドーン」
  • エンブレムの刺繍。もちろん日の丸やユニオンジャックをオーダーすることもできる
  • シートに施したパイピングもオプション
  • オルガン式ペダルを採用。毛足の長いフカフカの羊毛マットレス
  • 観音開きのドアハンドル。運転手付きで乗るタイプのクルマではないので、自分で開けても大丈夫
  • 人気ドライブスポットの箱根ターンパイクを行く
  • 窓を閉めた状態でも、後席は風の巻き込みが多い
  • 助手席からミラーを覗く
  • 小田原厚木道路を走るロールス・ロイス「ドーン」(アイフォーンで撮影)
  • 箱根を走るロールス・ロイス「ドーン」
  • 箱根を走るロールス・ロイス「ドーン」
  • 箱根を走るロールス・ロイス「ドーン」
  • 箱根ターンパイクを走るロールス・ロイス「ドーン」
  • 箱根を走るロールス・ロイス「ドーン」
  • 箱根で「ドーン」を運転する小島記者。奥には富士山が見える
  • 小涌谷の踏切と箱根登山鉄道
  • 箱根の富士屋ホテルとロールス・ロイス「ドーン」
  • 箱根の富士屋ホテルとロールス・ロイス「ドーン」
  • 箱根の富士屋ホテルとロールス・ロイス「ドーン」
  • ロールス・ロイス「ドーン」のLEDヘッドライト
  • ロールス・ロイスのマスコット「スピリット・オブ・エクスタシー」


 豪華絢爛のインテリア

 全長5285ミリ、全幅1947ミリ、ホイールベース3112ミリといった寸法や、6.6リッターV12ターボエンジンというスペックは、ベース車両のレイスと全く同じ。571馬力、780Nmなどの動力性能はレイスに一歩譲るものの、約2.6トンの巨体ながら0-100キロ加速を5秒フラット、最高時速250キロをたたき出すのだから、こちらもある意味「化け物」だ。見た目の華やかさなら間違いなくドーンが勝る。

 高級家具のようにがっしりと大きいレザーシートに収まり、観音開きのドアを閉めようとするが、グリップをつかもうにもドアの先端がかなり遠い。ここで腕をめいいっぱい伸ばして「よいしょー!」と閉めてはお里が知れる。ロールス・ロイスのドライバーは車内のボタンを押しながら電動でスマートに閉めるのだ(筆者はたまたま「DOOR」と書かれたボタンを見つけたため、その場で広報担当に確認することで恥をかかずに済んだ…!)。

 インテリアはとにかく豪華。中でもひと際目を引くのが、ダッシュボードからドアパネル、後席背後のリヤデッキまでキャビン内をぐるりと囲むウッドパネルだ。これだけ大胆かつ贅沢に木材を敷き詰めたクルマは恐らく他にないだろう。ちなみに広報車は「パルダオ」という高級木材を使用しているそうだ。ほかにも本革や金属パーツをふんだんに用いるなど、3つの異なる素材を見事に調和させている。一歩間違えれば下品ともとられかねない組み合わせだが、これらの素材を華麗で上品なパッケージに仕立てる職人たちの技巧には脱帽するばかりだ。内装に関しては職人らと直接相談することが可能で、どんなに細かい要望でも応えてくれるという。これは英語で「bespoke」(ビスポーク)と呼ばれるもので、ロールス・ロイスでは採寸して仕立てたスーツのように、自分のクルマをオーダーメードすることができる。

 純白のメーターや銀色のオーディオスピーカー、アナログ時計などの装飾品はどれも精巧で芸術美に溢れている。とにかく手や目に触れるものすべてが究極的に上質で、目が釘付けになるほどに美しい。ドーンに触れていると、「これはもはや『クルマ』という枠をはるかに超えた存在なのでは…」などと考え始めてしまう。これまで自分なりに培ってきた感覚や価値観といったすべてが根底から覆されるようで、積み重ねてきた経験がまったく評価軸として機能しない状態だ。「階級が違う」といったら語弊を招くかもしれないが、試乗を通して『クラス』という言葉を意識したのは初めてである。

好奇の視線に晒され…いよいよ試乗