【試乗インプレ】自宅コンセントから簡単充電 走行中に電欠しても大丈夫! トヨタ・プリウスPHV (3/5ページ)

  • 新型のプリウスPHV
  • プリウスPHV。塗装色はイメージカラーの「スピリテッド・アクアメタリック」
  • 中央にどんと構える11.6インチの大画面。操作性に優れるほか、これだけ大きければナビも見やすい
  • スマホからエアコンを遠隔操作中。起動してから約10分後に自動停止する。到着するころには、車内はポカポカだった
  • フィッシュアイで撮影した車内
  • ゆったりしたフロントシート。広報車は座席に本革を採用。シートヒーターも装備している
  • 贅沢に2人掛けに仕立てたリヤシート。ただし、足元と頭上は身長170センチを超える人にはやや窮屈
  • センターメーターを採用しているため、運転席前方はややスカスカ感がある
  • 4座独立シートを採用したくつろぎのインテリア
  • バックドアにガラス面が湾曲した「ダブルバブルウインドゥ」を採用。これもプリウスPHVの驚きの一つだ
  • バックドアにガラス面が湾曲した「ダブルバブルウインドゥ」を採用。後方視界のゆがみは少ない
  • 運転席から振り向いた時の車内の様子
  • ドライブモードやEV/HV切り替えスイッチを配置。シフトレバーはUFOキャッチャーみたい?スマホは置くだけで充電される
  • エアコンの吹き出し口も個性的
  • ナビ画面上はもちろん、スマホでも周辺の充電施設を簡単に探すことができる
  • 様々な機能をタブレット感覚で操作できる。使用頻度の高い機能は画面脇にスイッチを配置
  • 1.8リッターエンジンとモーターを格納
  • 運転席前方はスカスカしている。センターメーターは好みが分かれそう
  • ドアミラーの操作つまみやパワーウインドーのスイッチ類など質感は高い
  • 運転席右側にパワーボタンやヘッドアップディスプレーのボタンなどを配置
  • センターメーターには「EV走行モード」を選択中であることや、EV航続距離が残り36.5キロであることが表示されている
  • ノーマルタイプのプリウスと外観デザインを差別化。“涙目”ヘッドランプは封印した
  • 2世代目もルーフがなだらかに下がるハッチバックスタイル
  • 垂直基調のHVモデルに対し、PHVのテールランプは水平基調
  • 4眼LEDヘッドランプ
  • LEDフォグランプと、縦長のアクセサリーランプ
  • ドアミラー
  • ドアミラー付近に、空力性能を向上させる2本のフィンを配置。「プラグイン・ハイブリッド」のエンブレムが光る
  • 広報車は215/45R17のオプションタイヤ装着。標準サイズは195/65R15
  • プリウスPHVのリヤビュー
  • 個性的なテールランプ
  • HVモデルよりも大きなバッテリーを積んでいるため、PHVの荷室はかなり浅い
  • HVモデルよりも大きなバッテリーを積んでいるため、PHVの荷室はかなり浅い
  • 荷室のボックスには充電ケーブルが収納されている
  • 湾曲したリヤガラス同様に、ボディ両端もふくらんでいる
  • 充電ポート。右が急速充電、左が普通充電インレット
  • リヤウインドー周りのシャープなラインが実はカッコいいんです!
  • サイドレジスター。筆者のオススメはターコイズ色の縁取りがある吹き出し口だ
  • 後席の吹き出し口はこんなところに
  • フロントコンソール後端のアクセサリーコンセント。1500Wまで対応している
  • 200V電源で普通充電。2時間ほどで満充電となる
  • 200V電源で充電開始
  • 出先からも充電情報を確認したり、充電の予約をかけたりすることができる
  • オーバーヘッドコンソール
  • 助手席グローブボックス
  • ユニークな曲線を描くベルトライン。三角窓は良好な視界を確保する
  • リヤシート中央の大型アームレストを開ける
  • ルーフに搭載されたオプションのソーラーパネル(発表会で撮影)
  • LEDテールランプ
  • プリウスPHVの発表会に登場した、女優の石原さとみさん(2017年2月15日撮影)
  • プリウスPHVの発表会(2017年2月15日撮影)


 走行中に電池切れ…

 この日はエアコンの設定温度を高めに使用していたこともあり、走行距離60キロ未満で電欠を起こした。その途端にEVからHV走行に切り替わり、1.8リッターエンジンが稼働。EV走行時と比較するとエンジン音が耳に付くのは避けられないが、「もう充電スタンドに行くまでEV走行はできないのか…」といえば、そんなことはない。HV走行中も回生ブレーキがエネルギーを回収してバッテリーに充電。さらに「バッテリーチャージモード」機能を使えば、「EV/HV」の切り替えボタンを長押しするだけでエンジンが自ら発電して充電を開始。メーターに表示される「EV走行可能距離」が10キロ、20キロと想像以上の早さで回復していく様子はゲームのようで楽しい。わりと簡単にEV走行を復活させることができるのだ。さらに、メーカーオプションで大きなソーラーパネルをルーフに搭載すれば、太陽光をEV走行用エネルギーに変えて走るといった再生可能エネルギーならではのクリーンな楽しみ方もできる。一日の最大充電量は走行距離にして6.1キロ。屋外に数日置いておくだけで、中距離を走行できるだけの電気量を賄えそうだ。

 EVとHVを使い分けるメリット

 長距離を走る高速道路では、モーターとエンジンを効率よく併用させるHV走行の出番となる。駆動力が上がるだけでなく、EVが苦手とするロングドライブでも電欠の心配とは無縁。ガソリンを使用しても37.2キロ/Lという低燃費を誇るから、「とうとうガソリンを使ってしまった…」という罪悪感やガッカリ感もとくに湧いてこない。走行距離が130キロを超えてもなお、ガソリン残量を示すメーターは1目盛りも減っていないのだ。

 こうして「近場はEV」「高速道ならHV」といった具合に、シーンに応じてドライバーの意思でパワートレインを使い分け、少しでもエコに意識を向けながらドライブするのは、実際に燃費・電費のよさを体感できたこともあり非常に有意義であった。

 「いいクルマ」の評価は変わらず

 さて、肝心の走行性能だが、トヨタ最新の「TNGA」プラットフォームがもたらす低重心&高剛性の走りは安定感があり、ドライブフィールの質も高い。リヤにダブルウィッシュボーンを採用したサスペンションはしなやかで、セダンらしいゆったりとした気持ちのいい乗り味を実現している。レールの上を行くような直進安定性に加え、コーナリングも一筆書きしたようにスッときれいに決まる。ハンドルは最近運転した新型の日産リーフよりも重く、手応えがあって楽しい反面、長時間運転しているとステアリングを切ったときの反力で次第に腕が疲れてくる印象だ。広報車はメーカーオプションの17インチタイヤを装着していたが、もし筆者がこのクルマを購入するならば、乗り心地を重視してスタンダードの15インチを選択するだろう。空力にはかなり力を入れているようで、風音はどの速度域でもわずかに発生するのみ。先述の通りモーター音もほとんど皆無なのだが、それらの代償としてロードノイズはやや目立つ。とはいえ、パッケージとしての印象はHVのプリウスに乗ったときとほとんど変わらない。「欠点の少ない完成度の高いクルマ」である。

初代と同じ轍は踏まない