2015.7.4 17:13
2012年春の発売から早や丸3年が過ぎたトヨタ「86」とスバル「BRZ」。
走って楽しいFRモデルとしてのトータルバランス重視の観点から当初より過給機の追加などによるパワーアップを想定しておらず、富士重工業もトヨタ側のポリシーに合せる形でこれまで大きな変更も無く、地道な改良に留めているのが実情のようです。
そうした中、海外メディアによると年内に初の本格的なマイナーチェンジを予定しているようで、内外装やエンジン、足回り等がリファインされ、燃費についても改善が図られる模様。
その一方では次期モデルの開発がスタートする時期にさしかかっていると予想され、両車の開発体制が大いに気になるところ。
と言うのも現行の「ハチロク」がトヨタとスバルの共同開発で誕生した経緯があり、エンジンはスバル製で生産も富士重工が担当するなど、かなりスバル色の強いモデルである事は否めません。
それが両社にとってむしろプラス方向に作用している訳ですが、次期モデルでも同じような開発体制が採られるとは限らないのがこの業界の常。
なぜなら、トヨタは先頃マツダとの包括提携を発表しており、従来以上に関係性を拡大しようとしているからです。
おりしもプラットフォームを新設した4代目ロードスターが5月に発売となり、1ヶ月で既に累計受注台数が5,000台を超えたそうですが、マツダにしてみれば同プラットフォームを流用予定とされるFIAT向けの兄弟車以外にもコストダウンの観点から更なる共用モデルが欲しいところ。
そもそもトヨタは現行ハチロクの開発を始める段階でマツダの開発陣と技術交流を図るなど、何かと縁が深い関係。
スポーツカーの場合、限られたユーザーにひと通り行き渡ると、販売台数が低下する宿命を抱えており、何かと採算面で苦しいと言います。
そうした意味で次期トヨタ86へのマツダ製FRプラットフォームの流用は開発コストの低減に繋がるだけで無く、このプラットフォームをベースに自社製ボディとエンジンを組合わせることで、スポーツカーとして重要な走りの「味付け」にタップリ時間が裂けるという訳です。
またスバルとしてもトヨタに気兼ねする事無く得意のターボ化を図ることが可能となり、職人気質溢れる開発陣にとってはフラストレーション無く開発に専念できそう。
走りの良さで定評のBMWとも提携関係を活かしたプラットフォームの共用化が噂されているトヨタだけに本件についても十分有り得る話。
トヨタとマツダの包括提携により、これまでに無かった新たな世界が開ける可能性が有り、今後の両社の動きが注目されます。
写真で見る新型ロードスターNDと初代NAの違い【機能編】
写真で見る新型ロードスターNDと初代NAの違い【内装編】
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