18年度予算編成、社会保障費自然増の抑制焦点 改革へ議論本格化

 

 財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の分科会が4日開かれ、2018年度予算編成の最大のテーマである社会保障改革の議論が本格的に始まった。高齢化に伴う社会保障費の自然増を見込みより1000億円以上削れるかが焦点。財務省は6年に1度の診療・介護報酬のダブル改定を軸に思い切った絞り込みを目指すが、関係団体との調整難航は必至の情勢で、年末に向け綱引きが激しくなりそうだ。

 8月末に締め切られた各省庁からの概算要求は一般会計総額が100兆9586億円と4年連続で100兆円を超えた。予算圧縮には歳出の3割を占める社会保障費の削減が不可欠だ。

 18年度の社会保障費は17年度から約6300億円増える見通し。政府の財政健全化計画では社会保障費の自然増を年5000億円程度に抑えるとしており、1300億円の圧縮が必要だ。

 さらに待機児童対策として、9万人分の保育の受け皿整備に必要と見込まれる約500億円の財源も確保しなければいけない。

 18年度は診療報酬と介護報酬の同時改定がある。診療報酬は1%下げると約1000億円の予算を減らせる。財務省は薬価を市場実勢に合わせ引き下げ、医師に支払う報酬も抑制を目指す。

 介護では要介護度の低い人向けの掃除や調理などの「生活援助サービス」見直しが俎上にのぼりそうだ。

 財務省はこのほか、中学生までの子供1人当たり月額1万~1万5000円を支給する児童手当で、対象外の高所得世帯にも特例で月5000円を給付する措置を廃止し予算を確保したい考えだ。生活保護の医療扶助の適正化も課題となる。

 ただ、安倍晋三首相は9月、看板政策「人づくり革命」で掲げる幼児教育無償化や保育の受け皿拡充などに約2兆円を投じる方針を表明。一部は早ければ18年度予算で計上する。衆院選の政策アピールも加わり、年末の予算編成では歳出拡大圧力が高まるのが必至だ。

 政府は、18年に財政健全化計画の進捗(しんちょく)を検証し、施策を見直す予定。ここで社会保障費を中心に歳出改革を徹底しなければ、財政再建はおぼつかない。(中村智隆)

 ■2018年度予算編成に向けた社会保障改革のテーマ

 ・診療報酬、薬価改定

 ・薬価制度抜本改革

 ・介護、障害福祉サービス等報酬改定

 ・生活保護、生活困窮者自立支援制度の見直し

 ・児童手当特例給付見直し

 ・企業主導型保育所の拡充

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