対日圧力の強化に懸念 米農務長官は日米FTAに意欲

 
ワシントンで会合した米国(左側)と韓国の通商担当者ら。FTAの再交渉で事実上合意した=4日(聯合=共同)

 米韓FTAの再交渉が決まったことで、米国の日本に対する市場開放圧力の強化が懸念される。トランプ政権では日米FTA交渉を期待する声が上がっており、両国の経済対話で議題になれば摩擦が起きるのは避けられない。

 「巨大市場である日本と、2国間の通商交渉に入ることを熱望している」

 パーデュー米農務長官は4日、ワシントンでの講演でこう述べ、日米FTAの交渉開始に意欲を示した。

 日本はオーストラリアとの経済連携協定(EPA)に基づき米国産と競合する豪州産牛肉の関税を段階的に下げており、パーデュー氏は「米国も同じように扱われるべきだ」と強調した。ただ、米国が韓国に再交渉を迫ったのは韓国側の“約束破り”が遠因との指摘もあり、日本とは事情が異なるとの見方も強い。

 米国では対韓赤字が発効前の「2倍以上」に増えたことだけでなく、「協定をめぐる韓国の対応に不信感が強い」(通商筋)ともいわれる。韓国メディアなどによると、米共和党は法律サービスの市場開放や公正取引委員会による調査の透明性確保など、複数の分野で韓国が協定を十分履行していないと批判していた。

 一方、日米は今月16日に米ワシントンで開く経済対話の第2回会合で、アジアへの液化天然ガス(LNG)の輸出など幅広い分野で連携を強化する方向だ。

 トランプ政権は来年11月の中間選挙までに通商分野で得点を稼ぎたい構え。ただ、新規のFTA交渉は数年単位の時間がかかり任期中に終わらない可能性が高い。このため、日本はトランプ氏の顔を立てる“お土産”を用意して交渉の回避を狙う。政府内では「日米FTAの心配をする必要はもうほとんどない」(経済官庁幹部)との楽観論も聞かれる。

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