米韓FTA、年明け再交渉 破棄示唆、トランプ政権が押し切る

 
ワシントンで会合した米国(左側)と韓国の通商担当者ら。FTAの再交渉で事実上合意した=4日(聯合=共同)

 米韓両政府は米東部時間の4日、ワシントンで会合を開き、米韓自由貿易協定(FTA)の再交渉で事実上合意した。年明けに再交渉に入るとみられる。韓国に対する貿易赤字を減らしたいトランプ米政権が再交渉を求め、韓国は難色を示していたが、協定破棄をちらつかせる米国側に押し切られた形だ。

 現協定を「不公正だ」とする米国に対し、韓国は両国経済に良い影響を与えており大幅な見直しは必要ないとの立場。再交渉は難航必至だ。

 米国はカナダ、メキシコと北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉を始めており、日本に対しても市場開放圧力を強める可能性がある。

 米韓FTAが2012年3月に発効した後、米国側は自動車と鉄鋼、ITなどの分野で貿易が不均衡だと主張しており、再交渉はこれらの分野が焦点となりそうだ。韓国産業通商資源省は会合終了後「両国がFTAの互恵性をより強化するため、改定の必要性について認識を共有した」と表明。米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は「公正で互恵的な貿易を実現するため、間もなく協定改定を始めることを期待している」との声明を発表した。

 韓国の金鉉宗・同省通商交渉本部長(閣僚級)は韓国メディアに対し、国会報告を来週行い、再交渉開始に必要な手続きを進めると表明した。金氏は韓国メディアに対し、トランプ大統領がFTAを破棄するとの書簡を作成していたことを確認したと明かし「破棄される恐れが実際にあった。はったりではないようだった」と述べた。

 米商務省によると、米国が16年に韓国との物品に関する貿易で計上した赤字は約276億ドル(約3兆1000億円)で、発効前の2倍超に増えた。半面、米国から韓国へのサービス輸出も増加しており、韓国が「協定は互恵的」と主張する理由の一つになっている。(ソウル、ワシントン 共同)

【用語解説】米韓自由貿易協定(FTA)

 米国と韓国が、工業品や農産物などの関税撤廃や規制緩和を通じ自由な貿易を行うための協定。2007年6月にいったん署名したが、牛肉や自動車分野の非関税障壁などで対立して追加交渉し、12年3月に発効した。双方が乗用車を含む90%以上の貿易品目の関税を撤廃する内容。トランプ米大統領は、米国人の雇用を奪うなどとして否定的な立場を示していた。(共同)