中国の高級品市場復活 女性が牽引 ミドルクラスの購買力増大

提供:ブルームバーグ
上海市内にあるグッチの店舗。中国の高級品市場が復活の兆しを見せている(ブルームバーグ)

 中国の高級品市場が再び増加基調に転じた。習近平国家主席が進める汚職撲滅の取り組みにより、同市場は約5年前から低迷していた。2012年は役人絡みの派手な消費が目立っていたが、今は裕福になった新しいタイプの消費者が市場を牽引(けんいん)している。

 コンサルティングサービスの米ベイン・アンド・カンパニーは20年に向けた見通しに関する最近のリポートで、中国のミドルクラス(中間所得者層)が世界の高級品市場成長の主要エンジンになろうとしていると指摘。エグザーヌBNPパリバの高級品調査責任者、ルカ・ソルカ氏は「反腐敗運動が市場から小さな泡を取り除いた。支出・消費が本物になった」と分析した。

 男性への贈答品として特に好まれていた腕時計は、汚職撲滅運動の中で販売が急減。現在は有名デザイナーによるハンドバッグや高価な香水など女性中心の消費に軸足が移っている。

 フランスのラ・ロシェル・ビジネススクールで教授をしているセレナ・ロベ氏は中国の高級品消費に関する自身の著書で「中国の高級品市場は男性分野が主導していたが今は女性の存在感がより顕著だ。女性の購買力増大と男性の贈答に対する反腐敗の取り締まりのおかげだ」との見方を示した。

 英バーバリー・グループは、4~6月期の中国小売売上高が「10%台半ばの伸びとなった」と発表。ソーシャルメディア「微信」で話題となったことも販売増に寄与したという。グッチグループを傘下に置く仏ケリングの高級ブランド売上高は1~6月に中国本土で前年同期からほぼ50%増え、「イブ・サンローラン」部門の売り上げは67%近く伸びた。

 仏LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンによれば、ワイン・蒸留酒需要は堅調な上向きの勢いが続いている。春節(旧正月)のお祝い用にコニャック「ヘネシー」が売れた。アクサ・インベストメント・マネージャーズの新興市場担当シニアエコノミスト、姚遠氏は酒類の伸びは内需と小売売上高、個人消費に見受けられる幅広い力強さと整合性があると述べた。(ブルームバーグ Colin Simpson)