シンガポール住宅価格上昇 7~9月期 4年ぶり、規制緩和奏功

提供:ブルームバーグ
シンガポール東部シメイ地区にある住宅地区(ブルームバーグ)

 シンガポールの四半期ベースの住宅価格が4年ぶりに上昇に転じた。大幅な下落に歯止めがかかり、「不動産市場に回復の兆しが見えている」というアナリストらの予想を裏打ちする結果となった。

 同国の都市再開発庁(URA)によると、2017年7~9月期の民間住宅価格指数(速報値)は前期比0.5%増となった。一等地の集合住宅価格は0.5%下落となった4~6月期に比べ0.2%上昇し、上げに転じた。郊外では0.7%上昇したが、一等地近くのエリアでは横ばいとなった。

 政府は住宅市場の過熱抑制に向け、09年に民間住宅購入規制策を導入。その影響でシンガポールの住宅価格は低迷を続けていた。16年7~9月期には、13年のピーク時に比べ11%の下落を記録。同指数は15四半期連続の低下と、1975年の導入後で最長の下落局面となっていた。政府は今年3月に販売者印紙税の税率を引き下げ、住宅ローン規制を削減するなど、民間住宅購入規制の一部を緩和している。

 アナリストの多くは、シンガポールの不動産価格は低迷から脱却しつつあるとみている。

 世界最大級の不動産サービス企業、クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドの調査ディレクター、クリスティーン・リー氏(シンガポール在勤)は「景気が好調なため、住宅価格の上昇は予想されていた。今後について、17年は横ばい傾向が予想されるが、現在不動産開発会社が“市場に影響を与えるに十分な数”の高級集合住宅の再開発を進めていることから、18年には5%の上昇が見込める」と分析した。

 米銀モルガン・スタンレーや仏同業BNPパリバのアナリストらも住宅価格の上昇を予想している。モルガン・スタンレーによれば、シンガポールの住宅価格は年内に2%、18年末にかけて10%上昇する見通し。同社は、一般的な予想よりも速いペースで価格が上昇するとみている。(ブルームバーグ Pooja Thakur)