欧州中銀、来年以降発生の不良債権で指針 100%の引当金計上を要求

 
ドイツ・フランクフルトのECB本部(ブルームバーグ)

 欧州中央銀行(ECB)は5日までに、ユーロ圏の銀行の不良債権処理に関するガイドライン案を発表した。2018年1月以降に発生した不良債権には100%の貸し倒れ引当金の計上を求め、早期処理を促すのが柱。銀行の経営基盤の強化が狙いだ。

 ユーロ圏の17年3月末の不良債権額は8650億ユーロ(約114兆円)。貸出金全体に占める比率は5.9%で低下傾向にあるものの、日米に比べ依然として高い。国別ではギリシャやイタリア、ポルトガルなどが高水準だ。

 ガイドライン案では、担保でカバーされていない不良債権は遅くても2年後、担保でカバーされているものも7年後にはそれぞれ引き当てるよう定めた。既存の不良債権に同様の措置を適用すると、銀行の財務基盤の悪化を招くため見送った。

 銀行が多額の不良債権を抱えていると、企業や家計への融資に二の足を踏むケースがあり、投資や消費に悪影響を及ぼしかねない。ECBは銀行の経営健全化を通じて景気を下支えするほか、金融システムの不安定化リスクを抑えたい考えだ。(ロンドン 共同)