ロシア増産、LNG市場に影響力 税優遇で35年までに生産量7倍

提供:ブルームバーグ
露サハリン州で建設中のLNGプラント(ブルームバーグ)

 ガス輸出最大国のロシアが液化天然ガス(LNG)の生産量の大幅拡大に踏み切る。ノバク・エネルギー相は、同国が世界の主要生産国に匹敵する生産量確保に向けたLNGプロジェクト計画を抱えており、2035年までに年間生産量を7倍に増やす考えを明らかにした。主要生産国である米国やオーストラリア、カタールとの間で繰り広げているLNG市場をめぐる争いに勝ち抜く考えだ。

 ロシアのLNG生産能力に関するノバク氏の見通しは、フランスの業界調査団体セディガスが9月公表のリポート「LNG見通し」で示した予想の倍以上に相当する。

 LNGへの影響力を高めたいロシアは、北極海地域の生産者に減税措置を講じている。ノバク氏は「優遇税制措置により、北極海からの輸送コストを考慮しても、極東地域や北極圏ヤマル半島で外国産燃料に対抗できる。ロシアのLNGプロジェクトは自国のガス輸出を押し上げるほか、投資を引き付け、世界のLNG市場での存在感が高まる」と説明した。

 同氏によると、サハリン州で09年に操業開始した1施設の生産量は年1000万トン強。35年までにロシア全土の年間生産能力は7850万トンと計画されている。

 セディガスは主要LNG生産国の年間生産能力について、35年に米国が9500万トン、オーストラリアは9300万トン、カタールが8800万トンと予想。16年は世界全体で2億5800万トンだった。

 ただ、セディガスはカタールが6月に発表した計画を反映していない。カタールは同月、LNGの大増産計画を発表し、24年までに年間生産量を7700万トンから1億トンに拡大する方針を明らかにした。

 セディガスによれば、世界的な供給過剰が21年を過ぎると縮小し始め、生産能力の不足分は主要生産国カタールの生産量の2倍に匹敵する可能性もあるという。(ブルームバーグ Elena Mazneva、Anna Shiryaevskaya)

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