自社ブランドで顧客の気まぐれに即応

提供:ブルームバーグ
ザランドのロゴが入った箱(ブルームバーグ)

 ネット通販専門の小売業者が、米インターネット通販大手アマゾン・コムとデジタル世界へ進出しつつある実店舗型ショップという二重の脅威から逃れようとする中、欧州では多くの新たなファッションブランドがオンライン上で誕生している。

 独ベルリンのオンラインセレクトショップ、ザランドは2010年以降、17の自社ブランドを立ち上げた。現在は「ピア・ワン」の30ユーロ(約4万円)未満のセーターから「マイ・ピウ・センツァ」の170ユーロ超のブーツまで、幅広い商品を販売。年間売上高36億4000万ユーロのうち、5億ユーロを新規ブランドで上げている。英オンライン小売りのエイソスは、間もなく売上高の50%を自社ブランドが占めるようになると予測する。伊オンライン高級ファッション小売り、ユークス・ネッタポルテも「アイリス&インク」など自社ブランドの展開を開始した。

 調査会社ファン・グローバル・リテール・アンド・テクノロジーのマネージングディレクター、デボラ・ウェンスウィグ氏は「新たに登場したオンライン専門の小売業者らは、新しいものを迅速かつ継続的に入手したいという消費者の要望に速やかに対応している」と指摘する。アマゾンが自ら12以上の自社ブランドを立ち上げたことを受けて、ザランドやエイソスのような企業にとっては消費者の気まぐれに追い付くことがより重要な課題となった。一方で、アパレルブランド「ザラ」を傘下に持つスペインのインディテックスはトルコやインドなどに進出し、オンライン売上高を倍加。スウェーデンのヘネス・アンド・マウリッツ(H&M)もオンライン売上高を毎年25%以上伸ばす計画だ。

 アマゾンに対抗するため技術や物流への投資拡大が響き、ザランドの利益率は低迷している。こうした状況を打開するため、同社は小規模な競合、英ブーフーの手法にあやかりたい意向だ。ほぼ自社ブランドのみを販売しているブーフーは、欧州4大オンライン事業者の中で最も高い利益率を上げている。

 消費者行動を数字に置き換えたデータを活用し、自国に近い場所で生産することで、新手の小売業者らは最速の巨大ファッション企業さえも打ち負かすようになった。ブーフーは半分以上の製品を英国内で生産することにより、デザインから販売まで数週間という速さを実現。商品入れ替えの速さで有名なザラに対抗している。

 ザランドにとって、自社ブランドの立ち上げは当初、手頃なパンプスなどを提供し、製品ラインの隙間を埋めることが目的だった。だが現在、同社の自社ブランド事業は500人の従業員を抱え、年間2万点を量産するまでに拡大している。独経営コンサルティング会社ローランド・ベルガーの小売りコンサルタント、リチャード・フェデロフスキー氏は「ファッションがかつてないほどデータ主導型になった今、オンライン業者は時代の先端を行っているのかもしれない」と話す。(ブルームバーグ Richard Weiss)

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