プエルトリコ債務帳消し示唆 米大統領発言、地方債大荒れ

提供:ブルームバーグ

 トランプ大統領が3日夜のFOXニュースの番組で、先月のハリケーン直撃前から財政が困窮していた米自治領プエルトリコの740億ドル(約8兆3450億円)の債務を帳消しにする可能性を示唆したことを受け、4日の債券市場は大荒れとなった。プエルトリコ一般財源債の指標銘柄は額面1ドル当たり44セントから一時30.25セントまで売り込まれた。MKMパートナーズのアナリスト、ハリー・フォン氏は相場急落の中、「われわれが知っている地方債市場の終わりかもしれない」と指摘した。

 こうした最悪のシナリオは、トランプ大統領が実際にプエルトリコの債務を全て帳消しにできるかどうか次第だ。プエルトリコの債務が長年にわたり積み上がったのは利回りに飢えたウォール街によるところが大きいが、債務帳消しのプランを大統領が持ち合わせているのか、それが実現できるかどうかは示されていない。

 政権当局者は即座に大統領発言の火消しに動いた。債券価格はその後、急反発した。

 通常、地方債市場は安定しており、1日に価格が1~2セント変動するのは珍しい。このため地方債の価格が今回ほど大幅かつ急激に下落したのを思い出せる人はほとんどいない。2015年6月にプエルトリコのガルシア知事(当時)が債務を返済することは不可能だと発言した時でさえ、これほど急落することはなかった。

 マルバニー米行政予算局(OMB)局長は4日、大統領発言の火消しに回り発言を文字通りに受け止めないよう促した。多くの市場アナリストもトランプ氏の提案は実現不可能と一蹴している。だが、プエルトリコが債権者を見捨てるかもしれないと示唆しただけでも、財政再建を目指す同自治領の長年にわたる複雑なプロセスに新たな不透明感を招いた。また、イリノイ州やコネティカット州ハートフォード、米領バージン諸島など他の財政難の州・地方・自治領が債務を返済しない道をたどるとの不安も高めている。(ブルームバーグ Brian Chappatta)

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