世耕氏、アブダビに産業協力提案 “日の丸油田”の権益更新へ

 

 世耕弘成経済産業相が7~10日の日程でアラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国を訪問し、石油精製事業への投資を中心とした産業協力を提案するほか、中小企業支援で覚書を交わす方向で調整していることが6日、分かった。日本が自主開発する“日の丸油田”の4分の1を占める巨大権益が来年3月で期限切れになるのを控え、官民挙げた協力をアピールして延長を取り付けたい考えだ。

 世耕氏は訪問中、アブダビのムハンマド皇太子や、アブダビ国営石油会社のジャベル最高経営責任者(CEO)兼UAE国務相ら政府要人と会談する予定。

 日本側は、日本企業がアブダビの製油所や石油化学工場に投資し、地元の雇用創出につなげる協力案を表明する。石油元売りや建設、金融機関、大手商社などが協力し、アブダビの石油産業を育成する。

 また、日本貿易振興機構(ジェトロ)はUAEとの間で、日本の中小企業の進出を後押しする「中小企業海外展開現地支援プラットフォーム」について覚書を交わす。ジェトロのドバイ事務所がアブダビやドバイなどの政府機関や法律事務所を仲介するほか、税務・会計相談にも乗る。アブダビは原油輸出に依存しない経済を目指し産業の多角化を模索している。特に付加価値の高い石油化学製品の生産能力を2025年までに現在の2倍以上に増やす計画を掲げ、日本に協力を求めているもようだ。

 経産省がアブダビ支援に力を入れるのは、国際石油開発帝石(INPEX)が権益を持つ大型海上油田群の更新期限が迫り、取り分の拡大を目指す英BPなど欧米メジャーや、新規参入を狙う中国やインドなどの新興国企業と競争が激化しているため。日本はアブダビの産業振興への協力を通じて差別化を図る。