2009.12.3 09:47
■医師ら「治療に困る」「最先端の薬」
■インフル、がん術後、認知症…幅広く投与
政府の行政刷新会議の事業仕分けで「市販品類似薬」を保険から外すとする結論を出したことを受け、学会などが漢方薬を保険から外さないよう求める署名運動を続けている。漢方は軽い風邪だけでなく、インフルエンザや認知症、がんの術後管理などにも幅広く使われる。仕分けの結論では「範囲は十分議論する」とされたが、医師らは「最先端の薬として注目されているのに、あまりにも知られていない」と憤慨している。(佐藤好美)
◆3~10倍の負担
仙台市のてらさわ小児科には今冬、インフルエンザの患者が絶えない。子供に処方するのは、漢方薬「麻黄湯(まおうとう)」。寺沢政彦医師は「副作用は避けたいし、タミフルより早く解熱するという報告もある。保険から外れたら治療に困る。漢方には高額な薬もあって、患者さんは3割負担でもフウフウ言っているのに」と困惑する。
保険適用の薬は患者負担が1~3割。仮に保険外なら、負担は3~10倍の計算だ。ぜんそくの子に使う柴朴湯(さいぼくとう)は月約5000円。むくみやネフローゼの子供に長期投与する柴苓湯(さいれいとう)は月1万円弱になる。
漢方薬を処方するのは医師の7割超。特に婦人科で利用率が高い。女性医療の草分け「ウィミンズ・ウェルネス銀座クリニック」では、患者の8割に漢方を処方する。対馬ルリ子院長は「保険から外すなんて時代に逆行している」としたうえで、「女性は複合的な疾患が多い。めまい、頭痛、肩こり、むくみに一つずつ薬を出すと大量になるが、漢方なら1種類で済む。ピルや睡眠導入剤などの西洋薬とも相性がいい」と、漢方を高く評価する。