2010.2.15 05:00
特許庁は、地球温暖化対策など環境技術分野の研究開発成果をいち早く保護するため、特許の出願から権利化までの期間を短くする早期審査制度「グリーン関連出願」の方向性を今秋にも決める。現在、試行的に同制度を運営しており、その成果を見極めた上で本格導入に踏み切る見通し。環境技術をめぐる特許取得競争が世界規模で激しさを増す中、日本企業は特許権を重視し始めている。同庁はこうした動きを後押しする。
◆2カ月に大幅短縮
特許の早期審査は、出願人またはその手続きを行う代理人が、一般的な特許出願よりも優先して迅速な審査を受けられるようにする制度。対象になると、通常は平均29カ月程度かかる「申請から審査までの待ち期間」が、平均2カ月まで短縮される。これまでは中小・ベンチャー企業や大学による出願などを対象に早期審査制度を運営してきたが、環境分野について研究開発成果を早期に権利化するニーズが高まっていることから、グリーン関連出願を新たに加えることを決定。特許庁が昨年11月から試行してきた。
グリーン関連出願は「省エネ、二酸化炭素(CO2)削減などの効果を有する発明」が対象。申請者は、環境負荷の低減効果を有する発明であることを合理的に説明する「早期審査に関する事情説明書」を作成して特許庁に提出するという仕組みだ。
◆周知徹底が課題
試行を通じて浮かび上がった課題の一つが、早期審査の認知度の向上だ。試行開始から4カ月近く経過したにもかかわらず、申請件数は約30件にとどまっているという。
早期審査全体の申請件数は年々増加する傾向にあり、2008年で8863件に到達。さらに数千件を上乗せしても対応できるだけの審査余力がある。それだけに、グリーン関連出願についても認知度を高めたいという特許庁の思いは強い。特許の側面からも環境技術を支援している現状を企業などが知り、それを研究開発の励みとする。