特許庁、審査料引き下げ検討 中小の出願条件撤廃も

2010.5.13 05:00

 特許庁は12日、知的財産にかかわる企業の負担を軽減するため、特許料金の引き下げや減免制度の拡充を検討する方針を明らかにした。産業構造審議会の知的財産政策部会で協議する。2008年秋のリーマン・ショックにより、企業業績が悪化し、研究開発の予算が削られ、特許の出願件数が落ち込んだため。早期に新料金をまとめ、特許法を改正したい考えだ。

 09年の特許出願件数は前年比11%減の約35万件に留まった。研究開発の低迷だけでなく、企業が経費節減で出願する案件を絞ったことも原因とみられ、同庁では「有望な発明が埋もれてしまう」と懸念する。

 国内で特許を取得するには、出願料1万5000円と、審査の諸経費にかかる審査請求料約20万円を負担する。さらに取得後、特許権を維持するため年間4000~10万円の特許料が必要になる。特に審査請求料は、同庁の08年度の利用者調査でも7割以上が「高い」と回答していた。

 同庁では技術調査の外注を増やすなど審査体制の効率化を進めており、「経費節減の効果を利用者に還元することで、料金引き下げが可能」とみている。

 ただ、減額することで出願件数が急増し、審査期間の長期化や、利用されていない特許が不必要に長期間維持されるなどの弊害を招く恐れもある。同庁では審査請求料の改定を中心に、バランスのとれた料金体系を考える。

 また、資本力に乏しい個人や法人、さらに研究開発が活発な中小企業などに設けられた特許料金の減免制度も、使い勝手のよいものに変更する。提出書類や手続きの簡素化に加え、中小企業については出願条件を撤廃して原則利用できるようにすることも検討するという。(田辺裕晶)

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