【新興国に翔ける】拡大するベトナム小売市場 (1/2ページ)

2010.6.1 05:00

 □ストラテジック・デシジョン・イニシアティブ 代表取締役兼CEO 森辺一樹

 中間層の増加、増える若者人口などその力強い成長が期待されるベトナム。欧米風のライフススタイルが浸透しつつあり、小売業が飛躍的に拡大している。小売業やサービス関連の国内全体の売上高は、ここ数年20%以上の高い成長率を示している。小売業の総売上高は、1997年の118億ドルから2008年には約420億ドルへと増加した。

 ベトナムの小売業は、いまなお古くからの市場や、個人商店が中心である。この伝統的小売り業態が全小売業の88%を占めており、スーパー、コンビニエンスストア、大型卸売店、デパートといった近代的小売りは、たった12%にすぎない。ただ、その数は増えつつあり、伝統的小売りは近代的小売り急増の波に押されつつある。

 これは他の新興国でもスピードに違いはあれ同様だ。経済の力強い成長とともに可処分所得が増え、中間層が成長し、小売業が急速な成長を見せることとなった。今後も数年はこの成長ペースが続くものと予想される。特に大都市圏に住む消費者の多くが、海外商品の購入を求めており、多くの小売業者が古い形態から近代化への転換を図っている。

 急増する近代的小売りではあるが、まだ大都市圏(ホーチミン、ハノイ、ハイポン、ダナン、カントーなど)に限られている。グローバルに展開する大手小売業の幹部に話を聞くと、小売市場としてベトナムは、中国、インド、ロシアに次いでが魅力ある、との回答が多い。若年層が多いことが大きなポイントで、中国やインド以上の市場だと答えるケースもある。

 現在ベトナムにある大型小売店のほとんどがさらなる拡大を考えている。一方で、ベトナム政府は海外からの新規参入については厳しい規制を設けている。当然ながら自国の企業を守るためだ。

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