【シンクタンクリポート】2010・11年度 日本経済見通し(下) (1/4ページ)

2010.7.31 05:00

 □ニッセイ基礎研究所 主任研究員 斎藤太郎

 ■国内需要は徐々に改善 GDP3%成長

 前回見たとおり、米国をはじめとした海外経済の回復ペース鈍化に伴い輸出の減速が避けられない中、景気回復持続の鍵を握るのは国内需要の動向だ。日本経済が輸出主導で回復を続けてきたことは確かだが、輸出回復の恩恵は国内の企業部門、家計部門にも徐々に波及し始めている。2009年度前半の経済成長はほとんどが外需の寄与によるものだったが、09年度後半は内外需そろった高成長となった。自律回復と言うにはほど遠いものの、国内需要が改善し始めたことで、輸出減速下でも景気の回復基調は維持される可能性が高いだろう。

 ◆雇用など調整一段落

 08年秋のリーマン・ショック以降、経済活動の水準が大きく低下したため、自律回復実現の鍵となる設備、雇用の調整が終了するまでには相当の時間を要するものとみられていた。しかし、鉱工業生産が09年度入り後急回復を続けたことで、予想外に早い段階で調整のめどが見えてきた。過去の設備投資と稼働率の関係を見ると、稼働率が75%を上回るようになると設備投資の回復が本格化する傾向がある。製造業の設備稼働率は09年1~3月期には50%程度まで落ち込んだが、その後の大幅増産に伴い10年1~3月期には71.8%まで回復した。

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