■国有企業 迫られる市場経済順応
ベトナム国営造船コングロマリットのビナシンは、約40億ドル(約3390億円)の負債を抱えて経営危機に陥り、7月に救済された。これまでビナシンは国有企業の新しいモデルと見なされ、世界の舞台で戦うベトナム企業の先駆けとなるはずだった。しかし同社が行き詰まったことで、ベトナム政府が国有企業に寄せていた産業発展の牽引(けんいん)役としての信頼感が揺らいでいる。
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≪分析≫
ビナシンは1995年に設立され、2003年に再編された。同社の船舶の受注額は08年時点で60億ドルに達した。受注の3分の2は海外の顧客で、自動車運搬船、石油タンカー、油田施設用船舶などを購入している。また同社は6万人の従業員を抱え、造船所は28カ所、200以上の子会社と14の合弁事業を傘下に置いている。07年には3000万ドルの黒字を計上し、総資産は62億5000万ドル。成長率は年率35%に上った。
この間、ビナシンを率いたファム・タイン・ビン会長の声明によれば、ベトナムは15年までに中国、韓国、日本に次ぐ世界第4位の造船大国になる見込みだった。ところが同社は今年7月、巨額の債務を抱えて破綻(はたん)に近い状況に追い込まれたのである。