【必読!中国ビジネス】第26回 「主要都市 ここが狙い目」(6) (1/3ページ)

2011.10.24 05:00

政策・市況の注目ニュース

 ■江蘇省常熟市・常州市 交通要衝、国外からの産業集積進む

 前回の江蘇省蘇州市に続き、同省常熟市と常州市の現況をお伝えします。前回と同様に、新規または追加の事業展開を検討している日本本社の目線から、現地の企業誘致関係者に最近の投資環境について聞き取り調査を行いました。なお、文中の情報は各経済開発区の公式見解ではなく、筆者の私見です。

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 【常熟市】

 常熟市は江蘇省の南東部、長江の南西岸に位置し、蘇州市管轄の行政区域です。東は上海市、西は無錫市、南は蘇州市、北は長江を挟み南通市と隣接しています。総面積1094平方キロメートル、人口106万人です。日本との関係は、奈良時代に来日した鑑真が当時の常熟(現在の張家港市)から渡航したといわれています。

 ■常熟東南経済開発区

 2003年5月に設立された常熟東南経済開発区は、最近、日系企業の現地視察が増えています。業種としては自動車部品製造と精密機械加工業が多く、中堅・中小規模の会社設立が比較的に多く見られます。

 大手企業の進出としては、住友電装、三菱電機などが挙げられます。有利な投資要因は次の2つです。

 (1)高速道路、港湾の整備による交通利便性の良さ。

 (2)地元在住者106万人による労働力の確保。

 この開発区は交通の要衝地でもあり、陸路では沿海高速道路(黒竜江省-海南省)と沿江高速道路(上海市-四川省)が常熟域内で交差しています。また08年5月には、長江両岸をつなぐ蘇通長江大橋が開通しました。水路では、近隣の常熟港と世界53カ国・地域におよぶ合計255カ所の国際港との間を定期航路が往復し、同港の年間貨物取扱量は09年度実績で4500万トンを超えています。