ストラテジック・デシジョン・イニシアティブ 代表取締役兼CEO 森辺一樹
多くの方が知っている「島国根性」という言葉。さまざまなシーンで使われるが、海外事業を展開する際に、この島国根性が潜在的に大きなマイナス影響を及ぼしている。私自身もハッと気がつき、「駄目だ、駄目だ」と思考を整理することが少なくない。
その島国根性の主たる意味は、「日本は四方を海に囲まれた島国であり、基本的に他国との交流が少ないため、日本人は視野が狭く、閉鎖的な国民性を持っている」ことである。
われわれ日本人は、自身が島国根性の持ち主であると頭では理解していても、いざ海外事業を手がける際には、その認識ががあまりにも身近であり過ぎて、ついつい忘れがちである。
島国根性が海外ビジネスに及ぼす最も大きなマイナス影響は、周りと同じ行動を取るということと、自分との違いを受け入れ難いことだ。
周りと同じ行動を取るというのは、例えば海外進出の検討段階において、他社の状況は関係なしに、自社の戦略にのっとって判断を要するのであれば、先駆者的に海外進出を果たしている企業が少ないということだ。基本的には、皆が中国と言えば中国であるし、皆がインドに目を向ければインドと、周りの企業の進出状況を必要以上に意識する傾向が強い。
それゆえ、日本企業には世界的に見ても先駆者的な企業は少なく、人と違ったリスクを取ることを極端に嫌がる傾向が強いのだ。
次に、自分との違いを受け入れ難いことに関しては、基本的に海外へ行けば、その国のさまざまな事情に合わせたビジネスモデルへとトランスフォーム(変革)させていかなければならない。時にローカライズ(現地化)とも呼ぶが、日本の事業モデルや実績をそのまま持ち込んでも成功はない。