【必読!中国ビジネス】第43回「不正行為の防止」 (4/4ページ)

2012.3.19 05:00

 しかし、問題が発生してから現地法人の責任者に文句を言っても仕方ありません。中国に赴任する社員に対して管理部門の視点に立った研修を行うことも重要であり、会計、税務、労務などについて現地の総経理などが聞きやすい環境を整えることも一案です。例えば、定年間近の技術一筋の総経理が30歳前後の経理マンに会計や税務を聞くことの抵抗感を想像してみてください。

 また、不正をするのは中国人とは限りません。日本に戻れることがない社員や帰属意識の低い社員が不正に走りやすいのは当然といえるでしょう。日本の管理部門は、待遇面を含めて中国現地法人に積極的に関与していくべきです。

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【プロフィル】西山浩

 にしやま・ひろし マイツ大阪中国室室長、日本国税理士。

1998年マイツ入社。2003~08年まで上海マイツ諮詢有限公司蘇州分公司の総経理を経て現在に至る。日本の国内税務に精通し、中国勤務経験を踏まえた中国進出企業などの支援を行っている。

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【会社概要】マイツグループ

 上海、蘇州、広州、香港、大連、瀋陽、北京、天津に事務所を設置し、中国全土で日本人中国人計約350人のスタッフを有する会計事務所系コンサルティング会社。中国進出支援と進出後の会計税務や労務支援を中心に約1750社の日系企業を中国現地でサポートしている。本社は京都市下京区。日本国内での中国業務連絡先は、東京((電)03・5549・2021担当:松浦)、大阪((電)06・6374・5281担当:西山)。