日中韓投資協定締結へ実質合意 知的財産保護など盛る

2012.3.23 05:00

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 政府は22日、日本、中国、韓国の3カ国が北京で投資協定の締結に向けた実務者協議を19~21日に開き、実質合意したと発表した。企業の知的財産を保護する規定などを盛り込んだ。各国の国内手続きが終わり次第、正式に署名する。投資協定の合意によって日中韓自由貿易協定(FTA)の土台が整備され、5月に中国で開かれる日中韓首脳会談の際に3カ国がFTA交渉入りに合意する可能性も高まってきた。

 政府によると、投資協定には知的財産保護や送金の自由、外国企業を国内企業と同等に扱う「内国民待遇」などの原則を盛り込んだ。

 また、海外企業の自国内への進出条件として地元企業からの部品調達を要求したり、相手に過度な技術移転を要求することを禁じる規定を整備した。国際基準に基づいた投資ルールを中国側が受け入れた格好だ。

 一方、中国側の反発もあり、現地法人を設ける際の認可手続きでは、地元企業と外国企業を同等に扱う規定の導入は見送られた。外国企業による投資規制でも現時点以上に規制を強めないことで合意したが、規制緩和は今後の努力目標にとどめた。

 藤村修官房長官は22日の記者会見で、「経済的意味のみならず、3カ国の関係強化という政治的意味を持つ」と評価。中国との関係では「既存の日中投資協定の水準をより高める規定が設けられた」と意義を強調した。

 日中韓の投資協定は2007年に交渉が始まり、09年前後に一時中断。日中韓FTA構想が浮上するとともに交渉が加速し、11年中の実質合意を目指していたが、投資自由化の範囲などで折り合わず合意が遅れていた。(渡部一実)