【必読!中国ビジネス】第45回「外国人駐在員の社会保険加入問題」(下) (2/4ページ)

2012.4.2 05:00

 しかし、日本と中国では社会保障制度にかなりの開きがあります。社会保険は原則的に勤務地国で納付することになり、日本人が中国で掛ける養老保険では日本の厚生年金と比較すると不利になるため、その穴埋めをする必要があり、発効までに少なくとも2~3年を要するものと思われます。

 また、日中二国間社会保険保障協定には次のメリットとデメリットが考えられます。

 【メリット】

 (1)締結の内容にもよるが、少なくとも適用対象外となった保険に関しては二重納付を免れることになる(私見だが、養老保険と失業保険が適用対象外になるのではと考えられる)。

 (2)日本が他国と締結している内容は次のようになっており、おそらく中国とも同様の内容で交渉すると思われる。

 ・日本企業からの出向者で、かつ5年以内の派遣者は日本の社会保障制度をそのまま掛けることができる。

 ・この規定で合意された場合には、公的年金期間は通算することができ(日本は25年、中国は15年間、年金を掛ける必要がある)、双方で失効するようなことはない。

 【デメリット】

 (1)社会保障協定が発効されるまでの期間の二重納付は避けられない。発効までの期間は2~3年と思われる。

 (2)医療保険が対象になった場合、日本の医療保険では扶養家族まで保険対象者となっているが、中国は本人のみの医療保険であるため、扶養家族は国民健康保険などに別途加入する必要が生じる。