韓国は猛暑で電力需要が急増し、大規模停電(ブラックアウト)の危機にさらされている。6日には最大電力供給能力から最大電力需要を差し引いた予備電力が供給能力の3.8%に当たる280万キロワットになり、電力警報が発令された。電力当局は企業の節電に対して補助金を支給する需要管理を実施し、ブラックアウトを免れた。
韓国・朝鮮日報によると、今年6月までに税金から支払われた節電補助金は2400億ウォン(約168億円)で、すでに昨年(949億ウォン)の2.5倍以上に上る。今年の年間支給額は4000億ウォンに達する可能性がある。
韓国では2008年以降、3年間で電力需要が15%以上増えたが、供給能力は同期間に約5%増えただけだ。このため電力供給予備率は08年の12%から11年には4.1%まで低下した。主要先進国の電力供給予備率は15%前後に保たれている。
韓国では国策で電力価格が低く抑えられている。産業の国際競争力を高める一方、財政に負担を強いるとともに、節電意識を低くし、浪費による慢性的な電力危機の原因となっている。