ところが、ここにきてウォン高が進行。韓国メディアは「1998年以降、3回あった世界的な景気低迷期に、ウォン相場が1ドル=1100ウォンを割り込む高値に振れたのは今回が初めてだ」(朝鮮日報)と悲観している。
欧州債務危機による世界経済の冷え込みも追い打ちをかける。「世界ナンバーワンのFTA(自由貿易協定)国家」(李明博大統領)を自任する韓国は外需依存度が極めて高い。
韓国銀行によると11年の外需依存度は113.2%。10年は105.2%で、2年連続で100%を超えた。韓国紙によると、GDP(国内総生産)を基準とした10年の貿易依存度は日本が25.1%、米国が22.0%、中国が49.5。これに対し韓国は87.4%と高く、韓国経済界は政府に早急な対策を求めてきた。
低成長期の資産運用
有力シンクタンク筋は韓国経済の弱点を「内需主導国に比べ、世界経済の影響を受けやすい」と指摘。その上で「今の状況が長期化すれば国民生活は高い輸入品で苦しくなり、内需縮小の影響でさらに悪化するという悪循環に陥る」とみている。