安倍晋三首相【拡大】
政府は25日、2013年度の国内総生産(GDP)の成長率見通しを、物価変動の影響を除いた実質で2.5%程度、物価変動を含む名目は2.7%程度とする方針を固めた。
今月策定した緊急経済対策の効果や大胆な金融緩和、世界経済の回復などが成長率を押し上げ、名目が実質を下回る「名実逆転」が16年ぶりに解消すると見込む。28日の閣議で了解する。民主党政権下の昨年8月時点で試算していた実質1.7%、名目1.9%からいずれも上方修正する。
13年度は欧州債務危機を背景に減速していた世界経済が回復の動きを強め、日本からの輸出や企業の生産活動も持ち直しに向かうと想定。公共事業を中心とした10兆円規模の緊急経済対策なども成長率の押し上げ要因になるとみている。
さらに、14年4月からの消費税率引き上げを控え、年度後半からは住宅を中心とした駆け込み需要が個人消費を上向かせるほか、日銀と政府が共同声明で打ち出した大胆な金融緩和などのデフレ脱却への取り組みが加速することも織り込む。
政府の成長率見通しは当初予算編成の基礎となる税収見通しの算定などに使われ、夏に見直す。政策効果も含めた政府の目標値としての側面も持つ。