マレーシアでこれまで雇用者の負担だった外国人労働者に対する人頭税を労働者本人が負担することになり、議論が巻き起こっている。
今年1月から外国人を含めた最低賃金が月600~700リンギット(約1万8000~約2万1000円)から800~900リンギットに上昇したことを受けての措置で、外国人を雇用する企業全体では年21億リンギットの負担減となる見込みだ。現地紙スターなどが報じた。
人頭税は1人ずつ例外なく課される税金で、同国では外国人労働者を対象に1992年に導入された。当初は本人から徴収していたものの、2009年から外国人労働者の急増を抑制する目的で政府が雇用者負担に切り替えていた。現在の税額は外国人労働者1人につき年間400~1850リンギットとなっている。
同国では、外国人労働者の交通費や住宅費なども雇用者負担となっており、最低賃金切り上げの交渉でも雇用者側から外国人労働者の除外を求める声があがっていた。今回の切り替え措置は、政府がこうした雇用者の声に配慮した格好だ。