安倍晋三首相は23日、参院予算委員会で、円安により輸入品の価格上昇が続いていることについて「収入が増えることで補うことができるような状況を作っていくことが極めて重要だ」と述べた。適正な為替水準についてはコメントを避けた。
輸入品の価格上昇は、全国漁業協同組合連合会(全漁連)に加入するイカ釣り漁業者らが燃油高騰を理由に26、27日の2日間一斉休漁を予定するなど問題が広がっている。
安倍首相は日本維新の会の片山虎之助議員の質問に対し、「(国産品の)代替品があるものはいいが、そうでないものについては消費者にとって問題」と指摘。その一方で「輸出産業は大きな利益を得る」と円安のプラスの側面も強調した。
また、甘利明経済再生担当相は為替水準について、「日本経済が競争力を持ってくると、それに見合ったところで落ち着いてくる」と指摘。「実際にお金が向かう投資先をしっかり作っていく」と述べ、成長戦略の重要性を強調した。