1ドル=100円を超える円安で、輸出企業を中心に業績が改善し、日本経済復活を強力に後押ししそうだ。
10日の外国為替市場では米国の景気回復への期待を背景に円売りドル買いが急速に進み、円相場は一時1ドル=101円台まで下落した。円が対ドルで100円の大台に乗せたのは、2009年4月以来約4年1カ月ぶり。円安進行を好感して東京株式市場の日経平均株価も大幅反発、終値で約5年4カ月ぶりに1万4600円台を回復した。
ゴーン社長、アベノミクスを絶賛
「アベノミクスで日本は世界の中心に戻ってきた。称賛に値する」。10日に行われた日産自動車の決算発表で、カルロス・ゴーン社長は、安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」に対し、最高の賛辞を贈った。
自動車業界は国内生産の8割を輸出するマツダを筆頭に輸出比率が高く、昨年11月以降に加速した円安基調で輸出採算が大きく改善するなど恩恵を受けた。2013年3月期連結決算では、トヨタ自動車の単体が5年ぶりの営業黒字に転換したほか、マツダも5年ぶりの最終黒字を達成した。