シンガポールの消費者心理が改善の兆しをみせている。米調査会社ニールセンが発表した世界消費者信頼感指数によると、今年1~3月期のシンガポールの指数は前期から1ポイント改善して96となり、世界平均の93を上回った。同指数は100を基準値として上回れば楽観、下回れば悲観を示す。現地のチャンネル・ニュース・アジア電子版などが報じた。
同社によると、世界で最も消費者心理が楽観的なのはインドネシアで、指数は122。アジア太平洋地域の平均値は101だった。2012年の成長率が1.2%にとどまるなど経済の減速が顕著だったシンガポールは同地域の平均に及ばなかったものの、雇用や経済、家計の状況といった項目では約半数の調査対象者が先行きを楽観していると回答した。
ニールセンはシンガポールの消費者心理について、「雇用や家計に対する不安が小さくなり、本格的な景気回復への期待感が高まりつつある」と評価した。一方、同国政府は今年の成長率を1~3%と予想するなど、経済の先行きについて慎重な見方をしている。(シンガポール支局)