次に2つ目の「増税で税収が増え、デフレにならない」。上のグラフは1997年度の消費税増税後の政府一般会計の消費税収と消費税を除く税収が1997年度に比べてどうなったか、その増減の推移を追ったもの。消費税増税の後は、経済全体がデフレ圧力を受けて税収全体は減っている。消費税率を1%引き上げると約2兆円、一般会計消費税収は増えるが、1997年度の消費税率引き上げ幅は2%なので毎年度4兆円の消費税収が増えた。だが、所得税収や法人税収などは逆に大きく減っている。
税収全体を見ると、1998年度以来2012年度までの15年間のうち13年は、税収合計が1997年度を大きく下回った。2000年度、2007年度はプラスになったが、プラス幅は誤差の範囲内といえるほど極小で、いわば0勝13敗2引き分けである。
ちなみに、日本の増税失敗に続いて英国も2011年1月実施の付加価値税増税でデフレ圧力が一気に高まり、マイナス成長に陥った。イングランド銀行が躍起となって量的緩和政策を最強化したが、効き目がなくなった。