「保有している株に利益が出ていたら、税率が上がる前に一度売っておこうかとなるのが自然でしょう。それは個人投資家だけでなく、大株主にも同じことがいえます。市場外だけでは売りきれない場合はどうするか。公募増資に合わせて、ひっそりと売り出すんです。今後は、年末に向けて大型のファイナンスが続出し、株式相場の需給が大幅に悪化する可能性があります。年明けからNISA(少額投資非課税制度)も始まりますから、年末は買い控えをする投資家も増えるでしょうから、これも需給悪化の要因になります。ただし、年が明ければこれらの問題は片づきますから、需給は大幅に改善するでしょう」(藤本さん)
もっとも、その公募増資を逆手に取って株価の押し目を狙う方法がある。好業績で株価も上昇トレンドだったにもかかわらず、公募増資によって一時的に株価が下落している銘柄を狙う手法だ。株価が再び上昇トレンドに乗ったことを確認した後、買い出動すればOKだという。ポイントは、すでに公募増資が完了していること。今から公募増資する銘柄はNGだ。
さらに藤本さんが注目しているのが、旧大証2部上場で、東証と大証統合後に東証2部にくら替えとなり、東証1部の上場基準を満たしている銘柄である。「1部昇格が決まれば、機関投資家や投信による買い増しも期待できますから、当然、株価にはプラス材料。つまり、そうした銘柄を“青田買い”しておくというわけです」(藤本さん)(ネットマネー)
※すべて雑誌掲載当時