アメリカの論評によると、中国におけるシャドーバンキング(銀行の簿外取引を通じる委託貸付)は、ここ数か年で爆発的に拡大し、一説に30兆元(約500兆円)にも達しているとされ、中国バブルの元凶と言われています。米国発“サブプライムローン現象”の再発がもはや不可避だと警告を発しています。
また中国では、ほとんどの製造業大手が供給過剰に陥っていて、企業の復元力も弱体化しています。人件費がここ数年で150%にも跳ね上がり、元高も災いして、売り上げが軒並み3割前後も激減。人民元決済を求めようとしても、国際通貨の資格を有しない元では、ほとんど受け入れてもらえないジレンマに陥っています。
中国経済が「張子の虎」であったことを知らされる世界経済は、一時的に打撃を食らうでしょう。ただその一方で、中国需要の減少に伴う資源価格の下落は、日本をはじめアジアや欧州の資源輸入国には追い風となり、世界経済にとって正常化へのステップとなることも期待できそうです。