成熟社会への“遺産”
「2012年のロンドンオリンピックは、(大会後に施設などの使い道を決める)レガシー(遺産)計画が成功した事例。土壌汚染もあって貧困で治安の悪かった地域を魅力的な都市へと再生した」
六本木ヒルズ10周年を記念して開催されたフォーラム「オリンピック開催と都市開発」と題したセッションで、都市開発コンサルタントのビル・キスラー氏はそう評価した。
オリンピックスタジアムと駅の間に大規模なショッピングセンターを整備したことで、周辺の住宅価格も大きく上昇した。対照的に04年のアテネは、レガシー計画が十分に検討されず、その後の財政悪化もあって多くのオリンピック施設が使われずに放置されているという。