意外と真相報じている雑誌
大手メディアには報道上の制約が多い-ということは、よくいわれることです。見えざる外圧とか、記者クラブといった取材上のスクリーニングが働いていたり、さらには現在の幹部層に左派思想の持ち主や反体制派などが依然多数居座っていることから、偏向的報道姿勢が避けられない事情も多いようです。したがって、そうした制約外にあると見なされる大手・中堅の月刊・季刊雑誌とか、ミニコミ紙誌などに意外と多くの真相が報じられていることに気付かされます。
ITメディアの普及につれ、新聞やテレビの「日報」には、拙速から、やや正確性を欠く“粗製濫造的報道”まで散見されるようになってきたと見受けられます。もちろん、ネット情報の世界も拙速の過ちを犯すケースが多いようです。それらに比べ、じっくり時間を掛けて取材・編集し、活字化が可能な雑誌や単行本のほうが巧遅(熟成された巧緻な)情報が得られやすいことは、自明の理です。ITが全ての活字映像メディアを駆逐してしまうのでは、との一時の危惧感が消えつつあるのも、うなずけます。
その一例を挙げますと昨年のできごとになりますが、「勝栄二郎財務次官(当時)が勝海舟の末裔(まつえい)である」との無責任な(ご本人に確認も取らないままの)報道が、新聞・テレビやインターネットでも流れておりました。これが、大手雑誌2社で、事実ではない(両家は全く別の家系であると立証された)ことが分かるに至って、あのウィキペディアもようやく間違いを正したのでした。