政府は20日、政府と経営者、労働組合のトップが話し合う「政労使会議」の第5回会合を官邸で開き、デフレ脱却と経済の好循環実現に向け官民が一致協力する合意文書をまとめた。デフレ脱却と経済再生を確実にするために、「企業収益の拡大を賃金上昇や雇用拡大につなげる必要がある」とした。今後、政労使それぞれが、具体的な取り組みを進め、成果を確認する。
会議で安倍晋三首相が「協力してデフレから脱却していこうと気持ちが一つになった。それぞれが、大胆に実行に移していただきたい」と強調した。
合意文書では、賃上げ、中小企業支援策、非正規雇用労働者の待遇改善、生産性の向上と人材育成の4分野で、政労使それぞれの取り組むべき方向性が盛り込まれた。
賃上げでは、「労働者の将来への安心感を醸成し、さまざまな対応を検討する」と明記。賃金は個別労使の交渉で決定するとしつつも、一時金だけではなく、賃金体系全体を底上げするベースアップ(ベア)を求める内容とした。
中小企業支援策では、来年4月の消費税率引き上げ時に価格転嫁を阻害する行為を是正する施策や、賃上げに取り組む企業への支援強化を盛り込んだ。
非正規雇用労働者の処遇改善では、キャリアアップ助成金の拡充に加え、企業側に職場ニーズに応じた多様な働き方を支援することを求めた。