米国の金融緩和が縮小に向かっている一方で、日本ではさらなる追加緩和が期待されています。投資家には歓迎されている追加緩和ですが、実は一歩間違えば、通貨の信認を失うことにもなりかねないのです。
為替市場で急速に円安が進んでいます。大きな理由は2つ。1つ目は、米国経済が良好で米国の金融緩和が来春には縮小していくとの思惑から、「米国経済改善→米国債利回り上昇→米ドル買い」が加速していること。
2つ目は、「2年で物価上昇率2%を達成するのは困難」と発言する日銀政策委員が増えたことです。日銀の黒田総裁は、2014年末までに2%達成が難しいと判断した場合は、追加金融緩和の選択肢があることを示しています。
結果、投資家の間では来春から始まる消費税の増税に合わせて、景気腰折れの防止策に追加金融緩和を行なうとの見方が広がっています。米国の金融緩和縮小と日本の追加金融緩和のタイミングが重なる可能性もあり、そうなれば短期的に一層の円安・ドル高が進むことになりそうです。