2013年の中日貿易が前年に続き低迷した。中国税関総署によると、13年の日本との貿易総額は前年比5.1%減の3126億ドル(約32兆7010億円)だった。そのうち、日本からの輸入は8.7%減の1623億ドル、対日輸出は0.9%減の1503億ドルだった。
12年も両国間の貿易額は前年比3.9%減だったが、中国社会科学院日本研究所の張季風研究員は「12年の中日貿易の低迷は、経済情勢の悪化が最大の原因だったが、13年は政治的要素が大きく影響している」と指摘する。
日本が釣魚島(沖縄県・尖閣諸島の中国名)を国有化した12年9月以前から貿易額はマイナス成長に陥っており、9月以降の低迷は、それに拍車をかけただけという。
ところが13年には、世界経済の回復を受けて中国の貿易総額は前年比7.6%増を実現、日本も景気が上向き対外貿易が好転している。にもかかわらず両国間の貿易額が回復しないのは、政治的要素が大きく影響しているということだ。
張研究員は「両国関係の悪化により『政冷経熱』といわれた時代は過ぎ、“政冷経冷”時代に突入した」との考えを示す。
日本からの輸入が減少した理由について、中国商務省国際貿易経済協力研究院の徐長文研究員は、中日関係の悪化を受けて日本企業の対中投資が減少したことに加え、「中国国内の産業チェーンの発展に伴い日系企業が現地で原材料や部品などを調達するようになりつつあること」も指摘する。
このほか、上海社会科学院の傳鈞文研究員は(1)国内の成長力が不十分なため日本製品に対する需要が高まらない(2)日本から部品を輸入して中国で組み立てていた日系企業が、中国の労働コストの上昇を受けて、生産拠点の全てまたは一部を第三国に移すなどした-なども挙げている。(国際商報=中国新聞社)