西部ゴア州にある製薬工場。インドの医薬品市場は2016年までに270億ドルに拡大すると予測される(ブルームバーグ)【拡大】
インドの医薬品市場が急拡大している。国際的なコンサルティング会社デロイトの調査によると、同国の医薬品市場は今後、年率14.4%増で成長し、2016年には270億ドル(約2兆7672億円)に達すると予測される。現地紙ヒンドゥスタン・タイムズなどが報じた。
インドの医薬品市場は12年の226億ドルから13年は236億ドルに拡大したもようだ。
背景には、衛生意識の高まりや食などの変化に伴い、生活習慣病が増加していることなどがあげられる。
インドの医薬品市場の成長を見込んで外国企業の動きも活発化し始めた。英製薬大手グラクソ・スミスクラインは2月、インド事業を強化するため、640億ルピー(約1069億円)を投じてインド子会社への出資比率を50%から75%に引き上げることでインド政府の承認を受けたことを明らかにした。今後、国内外の製薬会社による競争はますます激しくなりそうだ。
ただ、インドでは薬事規制があいまいなことなどから、医薬品の安全面が懸念され、品質管理が今後の課題とデロイトは指摘している。(ニューデリー支局)