結果、預金金利がついても、実質はマイナスとなってしまうこともあるわけです。株式投資にしても、ここ数年の上海株式市場は軟調です。よい運用機会に恵まれない中国人には、怪しくても高利回りの理財商品は魅力的に見えたのでしょう。
さらに問題なのは、この理財商品がどの程度組成されたかを中国政府および著名シンクタンクさえも正確に把握できていないのです。しかし、各種試算を見ると、シャドーバンキングの対GDP(国内総生産)比率は70
%ほどに収まっています。
実は、この水準は国際的にも大変低い数字なのです。米国は100%弱、香港にいたっては500%強もあります。シャドーバンキングは、金融システムが発達した国では当たり前の金融取引。とはいえ、中国の場合はどこで運用されているかが不透明で、破綻リスクがどの程度であるのかが問題なのです。