環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の日米協議で、米国産自動車の日本輸出に関し米国内で使っているメーターや制御性能などの仕様を日本でも認めるよう米側が要求していることが17日、分かった。24日の日米首脳会談で目指す日米協議の大筋合意に向けた障害となりつつあり、豚肉や牛肉の関税とともに閣僚交渉で対立している。
米側は、日本の自動車に関する安全基準や環境基準を「参入障壁」とし、規制緩和を要求。米国内で生産した自動車で使っている安全基準に関わる数値や名称を、日本でも認めるよう主張している。ブレーキなど自動車の制御に関する基準も認証するよう求めていて、基準変更に慎重な日本と対立している。
米側は、国内仕様の安全基準を日本に認めさせることで、輸出に際して日本の安全基準に合わせる手間や改造コストを圧縮できるため、より安い価格での販売が可能になる。
一方、政府は交通事故防止のために設けた国内の安全基準を緩和した結果、事故が増える事態を懸念し、反対姿勢をとっている。
政府関係者は「農産品関税よりも妥協点を見いだすことが難しく、最後まで協議は難航する」と指摘。自民党の石破茂幹事長は17日のBS朝日の番組収録で、日米協議について「まとまらなければいけないが、国益を損ねて重要産業を壊滅させてまでまとめる意味はない」と強調した。