ある中国系住民は「カナダは多様な文化を誇る国家なのか。人種や宗教に寛容な国と思ったが失望した」と話す。中国系の移民弁護士、ローレンス・ワン氏(48)も「中国人コミュニティーの成長が鈍化し影響力がそがれる」と懸念する。
バンクーバーの中国系経済界への打撃を心配する声も絶えない。制度の存続を訴える活動家、ガブリエル・ユー氏(51)は「高級車を売ったり、有名レストランを経営したりする中国系ビジネスマンは苦境に立たされるだろう」と話す。
住宅価格に影響
政府の方針転換が住宅価格に与える影響も小さくない。中国人約4万人が今後6年以内に住宅を購入すると見込まれ、バンクーバー西郊など風光明媚(めいび)な地域では住宅価格が200万ドル(約1億9000万円)に急騰していたが、「価格上昇はもう見込めない」(不動産業者)との嘆きも漏れる。